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アートなトイレ ブランド化に力 仙台の泰光住建「浮世絵」で足掛かり 北斎ゆかりの地に提供

カフェ「まんまる」に設置されたアートレッタ=東京都墨田区

 水道工事会社の泰光住建(仙台市)は、トイレの便器にフィルム加工で装飾を施す商品「アートレッタ」のブランド化事業を展開している。足掛かりとして、浮世絵をデザインした商品を江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎ゆかりの地のカフェに提供し、住民や観光客らの好評を博している。
 トイレに入った客が思わず歓声を上げる。東京都墨田区のカフェ「まんまる」。シンプルでゆったりとした空間に、北斎の代表作「富嶽(ふがく)三十六景 神奈川沖浪裏」をあしらったアートレッタが据えられている。
 墨田区は北斎が生まれ、生涯の大半を過ごしたとされる。下町情緒が色濃く残る一方、東京スカイツリーがそびえ立ち、国内外からの観光客でにぎわう。
 丸い形のたい焼きやコーヒーなどを扱う同店は2019年10月に開店。シンボルマークは北斎の漫画絵がモチーフだ。店主の浜田悠(のどか)さん(42)は「アートレッタがお客さんとのコミュニケーションツールになり、みんなが笑顔になれる。トイレをきれいに保つ効果もある」と話す。
 アートレッタは泰光住建が東日本大震災後、被災したトイレの復旧工事に奔走する中で生まれた。「『トイレをきれいに使うのは当たり前』という感覚が生まれる空間にしたい」と赤間晃治社長(41)。英語の「アート」、イタリア語でトイレを指す「トイレッタ」から名付けた。
 これまで主に仙台市や近郊の駅、図書館、スタジアムなど人が多く集まる場所に設置した。アートレッタを知った浜田さん側から熱望され、今回の個別提供を決めたという。赤間社長は「北斎ゆかりの地で、外国人観光客へのサプライズにも最適。ブランド化の良い事例になる」と語る。
 同社はファッションブランドなどとのコラボ作品や、東京五輪関連イベントでの活用も構想。赤間社長は「アートレッタの効果を実感してもらえる環境を優先しながら、世界中の皆さんと喜びを共有したい」と思い描く。五輪後には一般販売も視野に入れる。


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2020年02月01日土曜日


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