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町の危機管理、課題浮き彫り 大間原発の消防車火災 適合性審査へ「影響なし」

後部が燃えた電源開発の消防車=3日午前5時ごろ、大間原発

 3日午前0時50分ごろ、建設中の電源開発(Jパワー)大間原発(青森県大間町奥戸(おこっぺ))の車庫に配備していた化学消防車から出火、車両の後ろ部分が燃えた。けが人はいない。同原発内での火災は初めて。青森県警大間署は、事件性は低いとみて、詳しい原因を調べている。
 大間署とJパワーによると、消防車のタンク底部の水を凍らせないための電熱線ヒーター付近が激しく燃えていた。車庫内に人はおらず、火災報知機で現場に駆け付けた守衛が消防に通報した。
 化学消防車は昨年5月に配備し、10月に点検と訓練を実施した後は使っていなかった。12月からヒーターの電源を入れていた。
 車庫は建設中の原子炉建屋から南に約200メートル離れている。事務棟の脇にあり、消防車のほか、放射線量を測るモニタリングカーや普通車が置いてあった。大間原発は稼働前で、放射性物質漏れなどの心配はない。
 原発の建設工事は2008年5月に着工した。東京電力福島第1原発事故後に本格工事を中断している。進捗(しんちょく)率は37.6%。Jパワーは26年度の運転開始を目指し、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査を受けている。同社の担当者は「審査への影響はない」と話している。
 大間原発は、全炉心にプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使える世界初の原発。核兵器の原料にもなるプルトニウムを過剰に抱えたくない日本にとって、まとまったプルトニウム消費が期待できる唯一の施設となっている。

◎町長への報告、5時間以上遅れる

 3日未明に青森県大間町に建設中の大間原発で発生した車両火災は、出火元の電源開発(Jパワー)だけでなく、町役場の安全対策の課題を浮き彫りにした。
 「何も聞いていない」。金沢満春町長が火災発生を知ったのは午前7時40分ごろのマスコミからの問い合わせがきっかけだった。Jパワーが午前2時ごろに町の担当者に連絡したものの上司に報告されないままだった。
 町は「まだ原発が動いておらずルールができていなかった。事例を踏まえ今後の対応を検討しなければならない」と弁明した。
 大間原発の敷地に取り囲まれる場所に住み、反対運動を続ける熊谷厚子さん(65)は「たとえどんな状況でもJパワーは火事を起こしてはいけない。安全に対して危機感を持ってもらいたい」と語った。
 大間のマグロ漁師にとっても原発の安全性は死活問題。今年の東京・豊洲の初競りで1億9320万円の値が付いたクロマグロを釣り上げた山本昌彦さん(57)は「原発が稼働しているときだったら大変なことになっていた」と胸をなで下ろした。
 Jパワーの広報担当者は「二度と同じようなことが起こらないよう安全対策をしっかり行い、事故のない発電所にしていきたい」と述べた。


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2020年02月04日火曜日


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