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<せんだい進行形>定期路線再開3ヵ月 タイ人増加、攻めの誘客 仙台のホテル

バンコク発の第1便から仙台空港に降り立った観光客ら。インバウンド拡大の起爆剤として期待を集める=昨年10月30日

 仙台空港とタイの首都バンコクを結ぶタイ国際航空の国際定期路線が昨年10月下旬、5年ぶりに就航を再開してから3カ月が過ぎた。新型コロナウイルスの影響は見通せないが、仙台市内のホテルでは11月以降、タイ人宿泊者数が増加。各ホテルは台湾などに続く訪日外国人旅行者(インバウンド)の柱にしようと策を巡らせる。(報道部・天艸央子)

■前年同期の5倍

 ホテルメトロポリタン仙台(青葉区)は昨年11、12月のタイ人宿泊者数が2000人を超えた。「前年同期の5倍。直行便就航以降、目に見えて増えている」と林健一総支配人は語る。
 同ホテルは5年前から年に1回、日本政府観光局(JNTO)主催の現地旅行会社向け商談会に参加してきた。林総支配人は「就航が決まってすぐに団体旅行の予約が入り始めた。商談会で得たネットワークが顕著な実績につながっているようだ」と分析する。
 郊外型リゾートホテルの仙台ロイヤルパークホテル(泉区)は、タイからの個人客が増えた。12月は前年の5倍以上となり、初めて台湾人客を超えた。
 個人客の誘致には、会員制交流サイト(SNS)を使った情報発信がカギを握る。同ホテルは、SNSで影響力を持つ現地の「インフルエンサー」を活用したプロモーションに力を入れてきた。
 「団体も伸びているが、個人客が上回る。写真や映像を駆使したPRの効果が表れている」と広本浩二総支配人は話す。
 個人客中心のビジネスホテルでもタイ人宿泊者の数は着実に増えている。
 JR仙台駅東口にあるダイワロイネットホテル仙台(宮城野区)の主戦場は、専ら海外向け宿泊予約サイトだ。「まずは旅行者の目に留まり、宿泊してもらうことが重要」と楠茂樹支配人は説く。
 タイ人が閲覧するページでは価格が10%値引きされるよう、ターゲットを絞った戦略を展開する。楠支配人は「タイは口コミが物を言う。評価や口コミで実績が上がれば、安定して予約が入るようになる」と語る。

■表記整備が課題

 仙台市がまとめた2018年の市内の外国人宿泊者は過去最多の20万4340人。トップの台湾は前年比38%増の8万8150人だった。タイは18%増の1万1554人で中国に次ぐ3位。定期路線再開でタイが台湾に次ぐ存在になる可能性もある。
 一方、仙台との定期便は台湾の週19往復(3月29日以降は17往復)に対し、タイは3往復。各ホテルとも「増便しない限り、台湾の旅行者数を超えることはない」と口をそろえる。施設やウェブサイトのタイ語表記の整備も課題となる。
 団体客が好調なホテルメトロポリタン仙台の林総支配人は「団体の次はリピーターの個人客が増えるだろう。タイ語表記なども充実させ、よりきめ細かいサービスにつなげたい」と先を見据える。


2020年02月07日金曜日


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