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うなぎパイ、浜松限定なのに… ネット転売横行

春華堂に伝えた上で購入したネット転売のうなぎパイ。届いた商品は一部が割れていた

 地元でしか買えないはずの菓子がネットで転売されている−。中日新聞東海本社(浜松市)の「Your Scoop みんなの『?』取材班(ユースク取材班)」にそんな情報が寄せられ、早速、取材を始めた。注目したのは静岡を代表する名菓、春華堂(同市)の「うなぎパイ」。浜松以外の販売はごく限られているが、大手通販サイト「アマゾン」で堂々と売られていた。法の規制が届かず、事実上、野放し状態が続く中、メーカーの“地元愛”がないがしろにされている。

 「うなぎパイ12枚入り(2箱セット)3049円」「【割れ 規格外使用】徳用 うなぎパイ 1770円」。アマゾンでは、さまざまな種類のうなぎパイが出品されている。正規価格はそれぞれ1924円、864円で、2倍前後の値が付けられている。商品タイトルに「【春華堂】」と入り、一見、公式販売と見まがうものもある。
 全国的にも知名度が高い「夜のお菓子」。遠隔地のファンが「高額でも購入したい」という心理は理解できる。
 しかし、春華堂はうなぎパイの販売を店頭に限っており、公式通販サイトでもラインアップに入れていない。配送時に割れる不安があるのと、何より「浜松を訪れるきっかけにしてもらいたい」という地元愛からだ。
 浜松以外では名古屋市内か、関東の一部デパートなどでしか手に入らず、ブランドイメージの向上にもつながっている。
 ネット転売の横行は同社も把握しており、担当者は「誰が販売しているのか分からず、現状ではお客さまに判断していただくしかない」と話す。
 出品点数が圧倒的に多い業者に2箱セットと徳用品を注文してみた。2日後に到着したが、2箱セットを開封すると、緩衝材もなく、一番上のパイが真っ二つに割れていた。サイトでも「ボロボロになっており、商品価値半減です」などの評価が目立つ。
 業者の住所は東京都足立区。訪ねると10階建てマンションで、郵便ポストには業者や、代表となっている人物の名前もない。管理人の男性は「どちらの名前にも見覚えはない。荷物を出し入れするような様子を見掛けたこともない」と話す。サイトに記載された番号に電話すると男性が応対した。非正規品ではないかとの問いに「あくまでも商品の購入代行としてやっている」と回答。その後、電話はつながらなくなった。
 事務所を所有せず、住所や固定電話番号をレンタルする「バーチャルオフィス」を運営する都内の企業関係者は、一般論と断った上で「地方の限定商品を転売する業者がクレームなどのリスクを避けるために利用するケースはある」と明かす。うなぎパイの場合の真相は不明だが、浜松市内の店舗でしか販売していないものもあり、市内に何らかの拠点がある可能性もある。
 アマゾンジャパン(東京)の広報担当者は「食品衛生法を含む全ての法令順守を販売事業者に義務付けており、違法行為が確認された場合は厳正な処分を行っている」としたが、今回のケースに対する具体的な見解には言及しなかった。

◎食品は法規制対象外/転売目的を隠せば違法の可能性も

 コンサートなどチケットの転売は昨年6月から法規制の対象になったが、食品の転売行為は違法ではない。こうした問題に詳しい南智士弁護士(第一東京弁護士会)は「転売の目的を秘して購入する行為は詐欺罪に該当する可能性がある」と解説する。
 「購入代行」をうたう業者が、転売することを明らかにしてパイを入手していれば問題ないが、春華堂は転売目的での購入には応じておらず、ホームページなどでも明示している。南弁護士は「通販サイトの運営責任者も転売目的を秘した購入を助長するようなら罪に問われる可能性がある」とも指摘する。
(中日新聞東海本社提供)


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2020年02月08日土曜日


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