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「狼さま」祭ったほこらを参拝、地域の安全祈る 岩手・大槌

住民が地域の安全を祈った狼祭り

 オオカミ信仰を伝える貴重な民俗行事「狼(おおかみ)祭り」が16日、岩手県大槌町金沢地区の対間集落であった。「狼さま」を祭ったほこらを参拝し、地域の安全を祈った。
 午前6時半、18世帯が住む集落から約2キロ離れた山中に住民約10人が集まってきた。ほこらにオオカミをかたどった幣束を安置。お神酒とゆで卵、小豆飯、魚をささげ、1人ずつ礼拝した。
 集落会長の農業一兜(ひとつかぶと)勝広さん(70)によると、江戸時代、イノシシやシカの食害に悩む住民がオオカミを呼び寄せて退治してもらおうと、ほこらを建立し祭りを始めた。毎年2月19日前後の日曜に行う。
 北上高地に接する金沢地区には明治時代までオオカミが生息した記録が残る。かつては各集落で狼祭りが行われていたが、ほとんど絶えてしまったという。
 「助け合う心が強く一体感のある集落だから祭りが残ったのだろう」と一兜さんは語る。近年、シカやイノシシが増え、地域の農林業は深刻な被害を受けているという。「狼さまが戻ってきてほしい。祭りはずっと続けていく」と話した。


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2020年02月17日月曜日


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