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福島・中通り原発集団訴訟 東電に1200万円の賠償命令

 東京電力福島第1原発事故の初期被ばくや自主避難による家族の分断などで精神的被害を受けたとして、福島県中通り地方の住民52人が東電に計約9900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁は19日、国が定めた指針を超える東電の賠償責任を50人について認め、計約1200万円の支払いを命じた。
 中通りの多くは「自主的避難区域」に当たるが、地裁は避難の有無にかかわらず同区域の慰謝料を30万円とした。同区域の居住者への慰謝料認定は同種訴訟で最高額とみられる。
 遠藤東路裁判長は「放射線被ばくへの恐怖や不安などで、平穏な日常生活が妨げられた」と判断。在宅の住民も生活環境の変化などで精神的苦痛を受けたとし、同額の慰謝料を認めた。
 損害に当たる期間は2011年12月末までの10カ月とし、既払い分を差し引くなどして算定した。住民の個別事情は「『30万円』を導く過程で考慮した」として上積みされず、賠償額は最高で約28万円だった。
 請求が退けられた2人は「提訴前の裁判外紛争解決手続きの和解の際、精神的損害は他にないことで合意している」と判断された。
 訴訟は東電が賠償済みの一律12万円(子ども・妊婦は最大72万円)に対し、避難区域外の住民の精神的損害の程度が争われた。今後は控訴の有無が焦点となる。
 判決によると、52人は11年3月の事故当時、福島や郡山など6市町に居住。避難指示は発令されず、多くは自宅にとどまった。
 地裁は19年12月、原発集団訴訟で全国初の和解を勧告したが東電が拒否した。


2020年02月20日木曜日


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