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教訓伝承が恩返しに 南三陸で全国語り部シンポ 体験共有、風化防止へ

語り部の未来などについて意見を交換したシンポジウム

 震災の語り部の役割や可能性を考える全国被災地語り部シンポジウムin東北が24日、宮城県南三陸町の南三陸ホテル観洋であり、実践者や有識者がそれぞれの立場から、伝承の意義や思いを訴えた。

 東日本大震災発生時に東北地方整備局長を務めていた徳山日出男政策研究大学院大客員教授が「教訓が命を救う−語り部のもつ尊い使命」と題して講演。「被災地で蓄積した震災の教訓を世界に発信することが、支援への恩返しになる」と述べた。
 語り部の未来をテーマにしたパネル討論は東日本大震災、阪神大震災の被災者らが登壇した。阪神大震災の語り部を続けている北淡震災記念公園(兵庫県淡路市)の米山正幸総支配人は「個人の体験だけで震災の全てを語れない。多様な体験を共有することが大切だ」と強調した。
 釜石市の旅館「宝来館」の岩崎昭子おかみは東日本大震災の被災体験を踏まえ「災害から子や孫の命を守るため、震災を語り継がないといけない」と指摘。気仙沼市の小野寺憲一震災復興・企画部長は「語り部をすることは自身の記憶の風化防止にもつながる」と述べた。
 東日本大震災後の被災地で生きる人々を描いたドキュメンタリー映画「一陽来復 Life Goes On」の尹美亜監督は「語り部と聞き手の魂が震えるような交流が生まれればいい」と語った。
 町内で復興活動に取り組む団体などでつくる実行委員会が主催し、全国各地から約420人が参加した。シンポジウムは2016年に始まり5回目。語り部を世界に発信する取り組みや震災遺構との向き合い方を考える分科会もあった。


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2020年02月25日火曜日


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