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竹林で発見のバッグ、9年ぶり遺族の元へ 「父母のエールかも」 宮城・山元

津波で犠牲になった父のバッグを手にする利文さん

 東日本大震災の津波で流され、宮城県山元町坂元の民家の竹林で見つかったバッグが震災犠牲者の持ち物と分かり、亘理署は2日、遺族に引き渡した。
 持ち主は同町中浜に住んでいた農業千尋勝三さん=当時(72)=。妻キミ子さん=同(66)=と津波に巻き込まれたとみられる。
 遺品を受け取った長男利文さん(49)=村田町=は「震災から9年を迎える時期に見つかったのは、亡くなった父母からのメッセージだと思う」と話した。
 両親と携帯電話がつながったのは、地震発生から1時間後。2人は車で避難するさなかだった。飛び出たマンホールを乗り越えようとしてパンクし、身動きできないと訴えてきた。
 「車から降りて今すぐ逃げて」と叫ぶと、「津波、来たの?」と母の尋ねるような声が聞こえた。その直後、通話は途絶えた。
 利文さんは現在、体調が優れない。「闘病で落ち込んでいたが、このタイミングで出てきたのは両親が頑張れとエールを送ってくれているのではないか」。9年ぶりの形見の帰還をそう受け止める。
 バッグには勝三さんが管理し、携帯していたクレジットカードや印鑑などが入っていた。利文さんは「海に流されたと諦めていた。捨てずに届けてくれて感謝したい」と話した。
 自宅敷地の竹林でバッグを発見して亘理署に届けた同町坂元、無職岩佐宣行さん(72)は「家族の元に届き、本当に良かった」と喜んだ。


2020年03月03日火曜日


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