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震災9年、プレハブ仮設解消に差 宮城20年度内終了めども福島不透明、岩手は調整続く

仮設住宅の見回りをする支援団体の職員=2日、気仙沼市笹が陣の気仙沼公園仮設住宅

 東日本大震災の被災地でプレハブ仮設住宅の解消時期に地域差が生じている。国が津波被災地の仮設解消を目指す2020年度内には、今春にも全世帯が退去する宮城県で解体が終わる見通し。岩手県でも20年度内の全戸退去に向けた調整が続く。東京電力福島第1原発事故の影響が続く福島県では、解消時期が不透明な地域もある。

 宮城県内のプレハブ仮設入居者は1日現在、気仙沼市の2世帯4人、名取市の2世帯8人の計4世帯12人となった。両市によると、気仙沼市では3月末まで、名取市では5月ごろまでに全世帯が新居に移る。
 106戸が立ち並ぶ気仙沼市の気仙沼公園仮設住宅では3月1日、最後の入居世帯となった80代の男性が片付けを進め、市内の区画整理地に再建した自宅に荷物を運んだ。男性は約8年半に及んだ仮設生活を「長かったが、大きな不満もなく暮らせた」と振り返る。
 宮城県内では震災後、2万2095戸のプレハブ仮設が整備され、12年3月には最大約5万3300人が暮らした。県震災援護室の担当者は「20年度内に全ての解体が進む予定」と説明する。
 2月末時点の各自治体への聞き取りによると、岩手県では宮古、陸前高田、釜石、山田の4市町で計約40世帯(約90人)が4月1日以降も暮らす見込みだ。うち31世帯67人は復興事業の遅れに伴って国に入居の特定延長を認められたが、他は経済的な事情などで退去できずにいる。
 山田町では2月末現在、特定延長対象外の3世帯4人が暮らす。町建築住宅課の担当者は「3月末での全戸退去は難しいかもしれないが、粘り強く働き掛ける」としている。
 福島県では原発事故による帰還困難区域が広がる双葉町の3世帯5人、大熊町の約30世帯(約40人)の入居が4月以降も続くとみられる。双葉は郡山市に、大熊は会津若松市といわき市に町民向けの仮設住宅がある。
 両町は入居者に災害公営住宅などへの転居を働き掛けているが、全戸退去の時期は見通せない。双葉町の担当者は「原発事故の賠償を巡る東電との協議がまとまらない影響もあり、入居が長期化した被災者もいる」と指摘する。(小沢邦嘉、吉田尚史)

◎みなし仮設来月以降 なお1000人規模大半は福島県

 民間賃貸住宅などの「みなし仮設住宅」で4月以降も暮らす被災者は岩手、宮城、福島3県で計約700世帯、1000人規模となる見通しだ。原発事故による帰還困難区域が広がる福島県大熊町、双葉町の被災者が大半を占める。
 福島県で4月以降もみなし仮設で暮らすとみられるのは、大熊町が約400世帯(約600人)、双葉町が約200世帯(約300人)。富岡、浪江、葛尾、飯舘の4町村の一部の被災者も居住を続ける。
 入居期限は2020年度末で、国は同年度中に期間を延長するかどうか判断する。
 岩手県では79世帯191人が入居を続ける見込み。県が内陸避難者向けに整備中の災害公営住宅(盛岡市)の完成待ちが大半を占める。
 宮城県では県内被災者向けの提供は3月末で終了する。福島県内から避難している10世帯18人は入居を継続する予定。


2020年03月06日金曜日


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