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20年度までに復興は3割、福島は深刻「完了見通せず」/被災3県42首長アンケート

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の計42市町村のうち、国の「復興・創生期間」が終わる2020年度末までに「復興が完了」と考える首長は約3割(13人)にとどまることが、河北新報社のアンケートで分かった。21年度以降も、多くの首長が復興関連の事業を継続する意向を示した。
 結果はグラフの通り。県別では、岩手の2人が既に復興が「完了した」と回答。震災10年となる「20年度末まで」は岩手2人、宮城9人の計11人(26%)だった。「被災者の心のケアは長い時間を要する」と前置きしつつ、20年度末での復興完了を見込む首長もいた。
 一方、東京電力福島第1原発事故の影響が色濃い福島(回答者15人)のうち、6人が25年度以降、4人が「見通せない」と答え、原発事故の深刻さが改めて浮き彫りとなった。
 復興関連の道路など「20年度末までに完成しないハード整備(国、県の事業含む)がある」との回答は全体で19人(45%)、福島に限ると約9割の13人に上った。
 復興・創生期間終了後の21年度以降、被災地で必要と考えられる取り組み(複数回答)について、半数以上の首長が「商工業振興や雇用創出」と「コミュニティーの再生」を挙げた。
 21年度以降の復興の課題について、石巻市の亀山紘市長は「災害公営住宅で暮らす高齢世帯の生活安定に向けた支援」と指摘。宮古市の山本正徳市長は「漁業の水揚げ回復、水産加工の原魚不足や価格高騰」を挙げた。
 福島県葛尾村の篠木弘村長は「地域の担い手、特に若者が少なく、コミュニティーの存続に致命的な状況をもたらしかねない」と危機感を示した。
 政府は昨年12月、復興庁の設置期限を10年延長し、31年3月とする新たな復興の基本方針を決定した。地震・津波被災地は21年度から5年間で事業完了を目指し、原発事故の被災地は当面10年間で本格的な復興を進める。
(小沢邦嘉)

<調査の方法>
東日本大震災で津波被害を受けたり、東京電力福島第1原発事故に伴い避難区域が設定されたりした岩手12、宮城と福島各15の計42市町村の首長を対象に1、2月に実施。質問をメールで送り、全首長から回答を得た。


2020年03月03日火曜日


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