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災害公営住宅での孤独死251人 仮設住宅を上回る

 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の災害公営住宅で、誰にもみとられずに亡くなる「孤独死」が昨年末現在で計251人に上ることが、3県警への取材で分かった。仮設住宅の計243人を初めて上回った。3県の災害公営住宅は99%完成し、高齢者を中心とした見守りが課題になっている。

 災害公営住宅と仮設住宅の孤独死数はグラフと表の通り。災害公営住宅の孤独死は宮城が計162人で最も多く、岩手計46人、福島計43人。65歳以上の高齢者は193人で全体の76.9%を占めた。
 性別は岩手、宮城の2県で男性148人、女性60人で男性が2.5倍に上った。福島県警は死者の性別を明らかにしていない。
 暦年ごとの推移は2014年の3人から15年15人、16年26人と増え、17年は前年比2倍超の57人。18年はさらに増えて85人、19年は65人と減少に転じた。
 仮設住宅の孤独死は宮城109人、福島88人、岩手46人の順で多かった。15年の49人がピークで、仮設そのものが減ったこともあり昨年は初めてゼロだった。
 災害公営住宅の孤独死の(1)年代(2)発見者(3)発見までの期間(4)死因−は、宮城県警のみ回答。162人中、70代が57人で最も多く、80歳以上と60代が各41人だった。発見者は家族55人、警察43人などと続いた。
 発見までの期間は「24時間以内」と「2〜10日」が各65人。「11日〜1カ月」24人、「1カ月以上1年未満」8人で、2日以上経過したケースが59.9%に上った。
 死因は病死が最多で134人(82.7%)。自殺13人(8.0%)、事故死4人(2.5%)と続き、その他は11人(6.8%)だった。
 災害公営住宅の孤独死は阪神大震災でもクローズアップされ、発生から25年たった現在も続く課題だ。兵庫県では昨年、75人が孤独死した。記録が残る2000年以降の累計は1172人に上る。
 被災者の見守りを続けるNPO法人「よろず相談室」(神戸市)の牧秀一理事長(70)は「高齢化が進む東北では、神戸より早いペースで課題が噴出する。孤立を深める被災者を置き去りにしてはいけない」と警鐘を鳴らす。
(鈴木拓也)

[調査の方法]孤独死に明確な定義はなく、1人暮らしで死亡した状態で見つかった人数を岩手、宮城、福島県警に尋ねた。発見場所は室外も含まれる。岩手県警の回答は自殺者を除く。災害公営住宅には一般の入居が進み、被災者以外の人がカウントされている可能性がある。兵庫県の孤独死数は兵庫県警の調査を基に集計した。


2020年03月04日水曜日


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