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3.11は「あたりまえをありがたいと思う日」 日常に大喜利で感謝、作者が思い語る 福島・飯舘

作品に込めた思いを語る村民ら。壁に94点が並んだ

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生から9年になるのを前に、全域避難が約6年続いた福島県飯舘村で10日、何げない日々の暮らしに感謝するイベントがあった。
 村は2018年に3月11日を「あたりまえをありがたいと思う日」と決め、毎年催しを開いている。今年は空欄を埋める大喜利形式のお題を出し、県内外から94点の応募があった。10日は村が選出した5点について作者が思いを語った。
 福島市での避難を終えて2年前に夫と帰還した鈴木みつ子さん(64)は、村での暮らしに感謝。「春はウグイス、夏はせみ時雨、秋は鈴虫と本当に自然豊かな村だと気付いた。夫婦で笑って生活できることがありがたい」と話した。
 「普通に笑えること」を「親から受けた温かい愛情のおかげ」と書いたのは、同市に避難中の杉下文代さん(60)。自宅がある同村長泥地区は帰還困難区域のままで、避難生活中に84歳の母親を亡くした。「一緒にいて当たり前と思っていた。もっと長生きしてほしかった」と懐かしんだ。
 菅野典雄村長は「避難で初めて分かった日常のありがたみがある。心を打たれる素晴らしい作品ばかりだ」と述べた。作品は全て村のウェブサイトで公開している。


2020年03月11日水曜日


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