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里親委託、東北の目標低調 福祉関係者が厚労省に再検討要請

東北各県と仙台市の2020〜29年度の里親委託率目標(3月5日時点の暫定値)

 虐待や貧困といった事情で生みの親と暮らせず施設に入る子どもの里親委託の推進を目指し、都道府県と政令市(計67自治体)が3月末までに定める2020〜29年度の里親委託率の目標が、東北のほとんどで国の目標値を大幅に下回る見通しとなったことが分かった。児童福祉関係者は16日、厚生労働省に対し、目標決定の期限を最長で半年延ばし、自治体に目標設定の再検討を働き掛けるよう要請した。
 国は3歳未満で実親と暮らせない子どもは24年度までに里親委託率を75%以上、小学生以上は29年度までに50%以上とするよう促す。
 厚労省によると、東北各県と仙台市の目標値は表の通り。東北で3歳未満の24年度までの目標を満たすのは福島県の75%のみ。最も低い秋田県は26%にとどまる。29年度になっても、基準に達するのは福島と山形だけの見通し。
 小学生の29年度までの目標を満たすのは宮城県の62.2%だけ。乳幼児の対応を率先する方針の福島県は、最低の30%だった。
 全国で一部目標が未決定の自治体があるが、現段階では国基準を満たすのは3歳未満が3県3市、小学生は6県3市となっている。
 国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」や全国の里親ら7人が16日、自見英子厚労政務官に委託率決定の先延ばしを要請した。出席者によると、自見氏は「自治体からの報告に危機感を持っている。期限を延ばすかどうかは総合的に判断する」と語った。
 日本子ども虐待防止学会理事長の奥山真紀子医師(東京)は「秋田は特に低い。3歳未満に力を注ぐ福島の姿勢は一定の評価ができる。幼い子から委託率を上げるべきだ」と強調した。
 18年度末の里親委託率は宮城の40.2%が最も高く、秋田は12.2%にとどまっている。

[里親委託率]乳児院や児童養護施設、里親家庭に暮らす子どもの総数約3万5000人のうち里親に預けられている子どもの割合を示す数値。厚生労働省の福祉行政報告例によると、2018年度末の里親委託率は20.5%。先進7カ国は日本を除いて例年、50〜70%に達する。国連は日本は社会的養護体制が施設養育に偏っていると問題視する。16年の児童福祉法改正で、虐待を受けるなどして実親の元で暮らせない子どもについて、里親委託や養子縁組を促進することが盛り込まれた。


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2020年03月17日火曜日


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