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<休校どう過ごす>勉強マイルール決めて NPO法人アスイク(仙台市) 大橋雄介代表理事

[おおはし・ゆうすけ]筑波大卒。東日本大震災後、仙台市の避難所で学習支援活動を始め、2011年にNPO法人アスイクを設立。宮城県内24市町村の37カ所で学力向上や受験勉強のサポートなどを手掛ける。全国子どもの貧困・教育支援団体協議会(東京)理事なども務める。福島市出身。39歳。

 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、全国の小中学校などが異例の臨時休校になって2週間が過ぎた。外出を控え、自宅や学童保育で過ごすよう迫られた子どもたち。突然の長期休みをどう過ごせばいいのか。注意すべき点は何か。感染予防、学習支援、心のケアの観点でそれぞれの専門家に聞いた。
(聞き手は報道部・田柳暁)

 −小中学校などの臨時休校が始まり、2週間が過ぎました。
 「休校中の自宅学習用に学校はたくさんのプリントを配った。1人で勉強できる子は計画的に取り組めばいいが、苦手な子もいる。NPO法人アスイクが学習サポートする約700人は、母子家庭など経済的に厳しい世帯の子が多く、大半は1人で勉強するのが苦手。学校が再開するまでに両者の差が開くことを心配する。学習意欲がさらに低下しないよう個別にケアすることが必要だ」
 「勉強と遊びのめりはりを付けるには、子どもが自分でマイルールを決めることが鍵になる。『勉強中のスマートフォンはOKか』『お菓子を食べていいか』など考えてみてほしい」

 −アスイクの学習支援事業も一部休止を余儀なくされています。
 「宮城県内で公民館などを借りて集まった子どもに勉強を教えていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で公共施設が利用できなくなった」
 「現在は電話で学習状況を確かめて補習プリントを郵送したり、インターネットの学習教材を活用したりと遠隔での取り組みを始めた。突然の臨時休校で丁寧な学習支援がより必要とされているが、直接の支援ができず、心苦しい」

 −子どもの様子に変化は見られますか。
 「顕著な変化はないが、弟や妹の面倒で勉強時間が確保できなかったり、仕事を休んだ親とずっと顔を合わせ、親子関係がぎくしゃくしたりした中高生もいる。子どもらしく生活できるはずの学校が休みになるのは影響が大きい。しっかり勉強するためにも気晴らしの場が求められる」

 −家庭にも影響が出ているようです。
 「支援する子どもの保護者はパート勤務者が多い。子どもの面倒を見るため仕事を休まざるを得なくなり、収入が減っている。在宅時間も増え、食費や光熱水費が余計にかかる分、経済的に苦しいとの声が上がる。そういった家庭に対し、アスイクでは寄付を募って食材を購入し、無料で届ける支援を始めている」
 「親がうつ状態になってしまうと、子どもにも影響する。東日本大震災では避難所や仮設住宅で大人たちが先行きを案じ、その姿を見た子どもたちもふさぎ込んだ例があった。同じことが起きないかと懸念している。子どもが勉強しやすい環境を整えるには、大人への対応を含めたトータルの支援が重要ではないか」


関連ページ: 宮城 社会 新型肺炎

2020年03月18日水曜日


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