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台風被害の丸森、地価下落最大 仙台再開発エリア活発

 国土交通省が18日公表した1月1日時点の公示地価は、仙台市とベッドタウンの周辺市町村が大きく上昇し、その他の市町との価格差が一層広がった。東日本大震災の被災地では移転需要が収束し、下落幅が拡大。昨年10月の台風19号豪雨で浸水した地域の落ち込みも目立った。

 都市計画区域がない七ケ宿、色麻両町を除く33市町村の575地点で調査した。用途別平均価格と平均変動率は表の通り。全用途は4.2%で8年連続の上昇。住宅地は3.5%、商業地は6.2%のプラスで、それぞれ8年連続、7年連続で上がった。
 前年と比較できる継続地点568カ所のうち、379カ所が上昇した。住宅地は上昇273カ所、横ばい39カ所、下落97カ所。商業地は上昇95カ所、横ばい17カ所、下落33カ所。工業地は上昇10カ所、横ばい1カ所、下落2カ所だった。
 市町村別の全用途平均変動率は仙台市の7.2%が最も大きかった。周辺部は名取市6.3%、富谷市5.3%、大和町4.4%、岩沼市4.2%と続いた。
 全用途の下落率が最も大きいのは台風19号で甚大な被害があった丸森町の4.7%。過疎化が進む川崎町が3.4%、震災被災地の南三陸町が3.0%。沿岸部はほかに石巻市が0.4%、気仙沼市が0.8%のそれぞれマイナスとなり、下落幅が拡大した。
 仙台市は全5区で上昇が続いた。青葉区の9.7%が最も高く、若林区6.4%、太白区6.3%、泉区5.5%、宮城野区4.8%の順だった。
 市内の住宅地は222カ所のうち213カ所が上昇し、横ばいは7カ所、下落2カ所だった。商業地は上昇80カ所、横ばい1カ所で、下落はゼロ。工業地は5カ所全てが上昇した。

◎東西線沿線の利便さ再評価

 18日公表された公示地価は、仙台市の不動産市場が堅調に推移する現状がうかがえる。大規模な再開発や土地区画整理事業による住宅供給が引き続き活発。一方、低金利を背景とした子育て世帯の住宅需要も高く、上昇傾向は市周辺部にも広がった。
 住宅地上昇率の上位10地点のうち、大規模開発が進むエリアが半数を占めた。東北大農学部跡地周辺の青葉区上杉地区やJR仙台駅東口周辺の小田原地区などでマンション建設が相次ぎ、価格も高止まりする。
 デベロッパーによる用地取得は中心部から泉区など周辺部に拡大。高騰していた建築費が落ち着いてきたことで、子育て世帯の需要を狙う郊外での事業展開の環境が整いつつある。
 仙台市地下鉄東西線の荒井駅、卸町駅など沿線の地価も上昇が続く。鑑定した千葉和俊不動産鑑定士は「鉄道の利便性が再評価されている。仙台と周辺部に差がなくなり、割安感を求める傾向が強まっている」と解説する。
 商業地は地元企業や投資ファンドによる投資意欲が旺盛だ。仙台市が都心再構築プロジェクトとして、高機能オフィスへの建て替えに助成制度を創設すると公表したことが影響した。オフィス空室率は改善し、賃料も上昇している。
 東日本大震災の被災市町は住宅需要の核となる子育て層が少なく、取引が減少する一方、高齢層が中古物件を求める動きがある。台風19号で被災した丸森町、大崎市鹿島台地区などは大きく下げた。
 今後の住宅需要について、千葉氏は「昨年10月の消費税増税と台風19号の影響で、住宅市場の動きが鈍り始めている。急速に熱が冷める可能性も否定できない」と分析する。

◎仙台圏内住宅地の地価公示価格変動率の変化(2016〜20年)

https://www.kahoku.co.jp/special/koujikakaku/2020map.html


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2020年03月19日木曜日


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