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<休校どう過ごす>外遊びでストレス軽減 宮城学院女子大(仙台市) 足立智昭教授

[あだち・ともあき] 東北大大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。宮城学院女子短大教授を経て2000年から現職。専門は発達臨床心理学。19年から大学内の地域子ども学研究センター運営代表。東日本大震災子ども・若者支援センター(仙台市)の代表理事も務める。福井県出身。61歳。

 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、全国の小中学校などが異例の臨時休校になって2週間が過ぎた。外出を控え、自宅や学童保育で過ごすよう迫られた子どもたち。突然の長期休みをどう過ごせばいいのか。注意すべき点は何か。感染予防、学習支援、心のケアの観点でそれぞれの専門家に聞いた。
(聞き手は報道部・田柳暁)

 −突然の臨時休校で児童生徒にどのような影響が出ていると思いますか。
 「生活リズムが大きく狂った。朝起きて学校に行き、勉強しつつ、休み時間に体を動かすという1日の流れがなくなった。この変化は子どもにとって大きなストレスだ。起床時間を同じにするなど普段通りの生活に近づけた方がいい」
 「ずっと家にいると、テレビゲームや動画サイトを見る時間が長くなる。体を動かさなくても脳は疲労し、ストレスとなる。子どもの意見を聞きながら1日の使用時間を決め、約束を守らせることが必要だ」

 −ストレスを軽減させるための具体的な方法とは。
 「効果的なのは外遊び。映像を見続けると、視覚優位になってしまい五感が働かない。風に当たるとか、光を浴びるとか、鳥のさえずりを聞くとか、友達と話すとか、外に出て五感を使う行為が望ましい」
 「東日本大震災でも避難所や仮設住宅の生活が長期化し、子どもがストレスをためた。その際、外遊びは非常に有効だった。ストレスが少ないと集中力が高まり、学習効率もよくなる」

 −外遊びの場所や効果についてどう考えますか。
 「緑や水がある場所がいい。自然豊かな環境は知的好奇心を刺激する。木登りができれば達成感や自己肯定感を育む。『外で遊ぶ子は室内にいるより感染症にかかりにくい』というデンマークの調査結果もある。週末は家族でキャンプするなんてどうだろうか」

 −抱えたストレスによる弊害が懸念されます。
 「低年齢ほど行動に現れる。小学校低学年は甘えたり、抱っこをせがんだりするのは不安がある証拠。年齢が上がると、それが物を壊したり言葉遣いが荒れたりする行動になる。中学生は内面にためやすく、深刻化すると、うつ状態になる。保護者や学童保育の職員は、子どものこうした変化に気を配ってほしい」

 −臨時休校を乗り切るため、保護者へのアドバイスを。
 「連日、テレビで新型コロナの情報が発信されている。情報過多により、子どもの不安が増幅される場合がある。大人たちが冷静に正確な情報を入手し、子どもたちにかみ砕いて伝えることが大切ではないか」
 「(2008年の世界的金融危機の)リーマン・ショック以降、児童虐待は全国的に増加傾向。宮城県では震災後、小中学生の暴力行為や不登校が増えた。今後表面化するであろう課題も見据え、子育て家庭をケアすることが必要だろう」


関連ページ: 宮城 社会 新型肺炎

2020年03月19日木曜日


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