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パイロットら誇りと誓い胸に 聖火あす東松島到着、希望の五輪で空を彩る

幼い頃からの夢を実現し、ブルーインパルスのパイロットを務める佐藤さん=航空自衛隊松島基地
震災の教訓を後輩に伝え続ける橋本さん

 ともされた明かりが希望の光となる。東京五輪の聖火が20日、航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)に到着する。展示飛行する曲技飛行チーム「ブルーインパルス」のパイロットや基地の関係者は「近くで見届けられるのは誇り」と到着を待ちわびている。

 ブルーインパルスは到着に合わせ、5色の煙を出しながら旋回して五輪を描く。パイロットの1等空尉、佐藤貴宏さん(34)は「一生に一度、あるかないかの経験。光栄です」と胸を躍らせる。
 岩手県山田町出身。愛称は出身にちなんで「リアス」。ブルーインパルスの華麗な飛行に憧れて2017年8月、チームに加入した。
 演技中の速度は時速800キロ。隣の機体との距離はわずか90センチ。飛行中は「怖さしかない」。着陸すると冷たい汗がどっと出る。
 週に2、3度の訓練で心掛けるのは「余計なことを考えず、練習あるのみ」。宮城の空にきれいな円を描くため、全てをささげてきた。
 基地は東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた。戦闘機など28機が水没。ブルーインパルスも1機が使用不能になった。
 人員管理担当の准空尉橋本敏治さん(51)は震災当時を知る数少ない職員の一人。風化を防ごうと毎年1月、基地に配属される職員に震災の話をする。「私たちは生かされた身。あの時、心の中でべそをかいた苦しみは忘れない」と訴えてきた。
 震災から9年。被災から立ち直った基地が世界中の注目を集める。「基地に届く聖火を見て、多くの人に喜んでほしい」と橋本さん。佐藤さんは「自分たちの飛行で素晴らしい式典に華を添えたい。当日は晴れてほしい」と願う。


2020年03月19日木曜日


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