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三鉄、大荒れの再出発 全線開通も強風でほぼ運休「残念」でも活性化を期待

記念列車を出迎えた子どもたち=20日正午ごろ、岩手県山田町の岩手船越駅

 待望の全線再開は春の嵐で大荒れの再出発となった。昨年の台風19号の被害で一時、7割が不通となった岩手県の三陸鉄道は20日、最後の復旧区間の釜石−陸中山田間が開通した。しかし、沿線の大槌町新町で史上1位の最大瞬間風速42.1メートルを観測するなど強風でほとんどの列車が運休。住民は「あすからは無事に走って人を連れてきてほしい」と期待した。

 記念列車は午後0時45分、陸中山田駅を出発した。先頭車両には東京五輪の金メダルをイメージしたヘッドマークを装着した。山田町の主婦後藤イネ子さん(79)は「病院や買い物に行く生活の足は列車。バスと違ってゆったり乗れる」と笑顔で見送った。
 同町のパート佐々木純子さん(45)は自宅近くの岩手船越駅で記念列車を出迎えた。「昨年リアス線が開業して半年後に不通となり、がっかりした。再開で2度喜ぶことができたと思いたい。鉄路を守るため、多く乗りたい」と語った。
 記念列車は強風で町内の岩手船越駅で運行を中止。大漁旗で迎えようと釜石市の鵜住居駅で有志と準備していた同市の団体職員秋本純希(じゅんき)さん(31)は「みんなで祝いたかったので残念。三鉄は希望の星であり、順調な運行であってほしい」と願った。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響もあった。釜石市で予定していた記念式典は中止となり、大槌町は各駅での旗振りを中止した。
 大槌駅に事務局を置く町観光交流協会の西舘さつきさん(29)は「不通で人の出入りが一気に減っただけに、開通をすごく楽しみにしていた。震災、台風、コロナと不測の事態が続くが、逆境を乗り越えるのが三鉄の底力。一緒に町を活性化したい」と話した。


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2020年03月21日土曜日


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