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「復興の火」再生への道照らす 三陸鉄道・宮古−釜石間を縦断

大漁旗で歓迎を受ける聖火を載せた特別列車=22日午前11時ごろ、釜石駅

 東京五輪の聖火を載せた車両が22日、岩手県の宮古駅から釜石駅までの鉄路を縦断した。東日本大震災に続き、昨年10月の台風19号豪雨で甚大な被害を受けた第三セクター三陸鉄道(宮古市)。ゆらめく炎に三鉄社員が、沿線住民が、復興への誓いを新たにした。

 「早く走らせたかった。鉄道マンとして早く走りたいという気持ちもあった」。運行本部長の金野淳一さん(59)は感慨深げだ。
 昨年3月に盛(大船渡市)−久慈間を結ぶリアス線163キロが開業した半年後、想定外の台風禍に見舞われた。衝撃は大きかったが震災を乗り越えた経験を生かしてひたすら前進し、目標とした聖火到着前の20日に全線復旧を果たした。
 復興の火を運ぶ列車に手を振る沿線住民の姿に「みんなが楽しみにしていたんだなと感じた。待っていてくれる人がいたことが支えになった」と感謝する。
 大槌町の大槌駅前に昨年12月オープンした三陸屋台村おおつち○○(まるまる)横丁会長の倉本栄一さん(66)は「にぎわいづくりの条件がようやく整う」と喜ぶ。
 高校時代は釜石市に列車通学した。当時は製鉄所の全盛期で、駅員が乗客を列車に押し込む風景を今も懐かしむ。「地元の人間がもっと鉄道を利用するよう、駅前の魅力づくりに知恵を絞りたい」と意気込む。
 ランタンに移された火を山田町の陸中山田駅前で見詰めたのは自営業松本龍児さん(68)。沿線4市町の住民でつくる「地方ローカル線を守る市町民の会」の事務局長を務める。
 復興景気が終わり、縮小する地域に不安を感じているが、改めて地域再生への思いを強くした。
 「何度も立ち上がる三鉄が運んでくれたことがうれしい。リアス線を動脈にして、今後の交流人口増を図りたい」。復興の未来図を、再びつながったレールと共に描いていく。


2020年03月23日月曜日


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