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福島のランナー落胆 聖火リレー中止「ただただ残念」

 聖火リレー中止決定に、スタート地点となる福島県のランナーらは24日、落胆を隠せなかった。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を発信しようと張り切っていただけに、「残念でならない」と悔しがった。
 聖火リレーは26〜28日の3日間に県内58市町村中26市町村で繰り広げられ、ランナー計310人がトーチをつなぐ計画だった。
 「ただただ残念。教員生活の締めくくりになると考えていたが、かなわなかった」。初日にいわき市を走るランナーだった双葉町双葉南小校長の泉田淳さん(60)は肩を落とす。
 同市内の仮校舎で、原発事故に伴い避難した小中学生ら45人が学ぶ。自身も避難を強いられ、月末の定年退職を前に「古里を離れて学ぶ子どもに勇気と誇りを取り戻してほしい」と応募した。
 応援のため児童らが作ったサプライズの横断幕は出番がなくなった。泉田さんは「みんなに応援されて走りたい」と望んだ。
 金山町の「マタギ」の猪俣昭夫さん(69)は、隣の三島町を27日に走るはずだった。「仕方ないが、かなり残念」。原発事故でクマやイノシシの肉は出荷制限が続く。マタギのなり手も足りず、多くの人に奥会津の自然に関心を持ってほしいと応募し、選ばれた。
 「人と自然のバランスが崩れている」。相次ぐ地震や台風、原発事故や新型コロナウイルスも人間社会への警鐘と感じる。「無観客でも聖火をつなぎ、自然を見直す意味をPRしたかったのだが…」と残念がる。
 「自分が走るのを楽しみに待ってくれていた知人がたくさんいたのに」と語るのは本宮市のコミュニティーFMモットコムに勤める松本襟加さん(30)。28日、市内を走る予定だった。
 昨年の台風19号で、市内は7人が犠牲になる甚大な浸水被害を受けた。救助を待つ住民をFMの放送で励ました松本さんは「水害からの復興を遂げる姿を発信したかった。新型コロナが終息したらランナー全員が走れるようにしてほしい」と話した。


2020年03月25日水曜日


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