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トヨタ東日本「ヤリス」製造本格化 受注好調 東北経済への波及に期待

岩手県北上市の北上エレメックでは、ヤリス向けの内装部品ラインがフル稼働している

 トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)が岩手工場(岩手県金ケ崎町)で製造する新型の小型車「ヤリス」に、東北の自動車産業が期待を寄せている。主力小型車「ヴィッツ」の全面改良でトヨタ初の安全技術を複数搭載し、発売後1カ月の受注は目標の5倍という好調ぶり。昨年のヴィッツの販売数を超えることが確実視され、東北経済への波及効果も大きい。
 車の内装用プラスチック部品などを手掛ける北上エレメック(北上市)は、トヨタと15年ほど取引がある。ヤリスの部品受注にも成功し、生産本格化に伴って製造ラインが忙しく稼働している。
 東北の製造業では、新型コロナウイルスの影響で部品調達や注文のキャンセルが出始めた。菅原康裕会長は「一部のラインが止まる中、ヤリスが順調なのは非常にありがたい」と話す。
 ヤリスの受注数は2月10日の発売から1カ月で約3万7000台に上り、同社の部品受注も好調だ。
 トヨタがヤリスで初採用した小型車向けプラットホーム(車台)「GA−B」にも注目が集まる。トヨタは小型車生産を東北に集約する方針を掲げており、車台は今後投入する小型車にも展開される見込みだ。
 菅原会長は「今後は共通部品が増え、大量生産によるコストメリットが出る」と期待する一方、「小型車は世界的な競争が激しい。サプライヤーとして一層の作業工程改善に取り組みたい」と気を引き締める。
 車用小物プレス部品を製造する福島高木の郡山工場(福島県郡山市)は2019年6月に稼働した。ヤリスの生産開始に備え、トヨタ東日本が製造する小型ミニバン「シエンタ」、スポーツタイプ多目的車(SUV)「C−HR」などの部品を生産してきた。
 ヤリスの部品は同年12月に納入を開始した。部品同士を結合させる支持具「ブラケット」や、電気配線の固定部品「ハーネスクランプ」をメインに約70点を生産。藤井崇工場長は「3月に入って生産がピークに近い。5月までフル生産が続くとみている」と語る。
 ヤリス向け部品は同社の7割を占める主力製品で、売れ行きが経営の浮沈を握る。本多敦志社長は「多くの方に乗ってもらい小型車の一番になってほしい。当社設立の目的の一つは東日本大震災の復興支援。郡山に根を張り、地元の若者らが働ける場をつくりたい」と意気込む。


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2020年03月28日土曜日


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