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福島県が児童虐待防止条例を施行 東北初、県民の役割明記

 福島県は1日、「県子どもを虐待から守る条例」を施行した。児童虐待防止に特化した条例は東北で初めて。虐待の未然防止や早期対応に向け、県や保護者、その他の県民の役割を明記した。県の児童虐待の対応件数は増加が続き、児童相談所の体制強化が課題だ。
 県議会の各会派による検討会が条例案を策定し、2月定例会で可決された。前文で「東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴う避難の長期化などで、地域のつながりや家族の在り方が変化している」と強調。虐待を「重大な人権の侵害」と厳しく批判した。
 虐待防止に重要なのは「子どもや保護者を孤立させない社会づくり」との基本理念の下、県や市町村は子育て支援などの施策に取り組む。保護者に対しては子どもへの体罰を禁止し、県民には虐待が疑われる子どもを見つけた場合、速やかに通告する責務を課した。
 県内4カ所の児童相談所が対応した児童虐待の件数はグラフの通り。県によると、心理的虐待の増加は全国的な傾向で、子どもの前で配偶者を殴るといった「面前DV(ドメスティック・バイオレンス)」を警察が積極的に通告するようになったためだという。
 対応件数の増加を踏まえ、国は19年度、児童福祉司の配置基準を引き上げた。県の場合、22年度までに72人を確保する必要があるが、旧基準の50人を19年度にようやく満たしたばかり。条例は児童福祉司の「手厚い」配置をうたっており、新基準もゴールではない。
 県児童家庭課は「県内の子どもの数に照らし、職員の質も担保しながら計画的に増員する」と説明する。
 県内の福祉関係者らでつくる福島虐待問題研究会の影山和輝会長(54)は「虐待を受けた子どもを助けるだけでなく、虐待を受ける前にそのような家庭環境をつくらせないという視点がある」と条例を評価する。
 影山さんは新型コロナウイルスの感染拡大で、学校の休校や部活動の自粛が続き、保護者と子どもがストレスを抱える現状に虐待発生のリスクをみる。「震災当時とも似た状況。注視する必要がある」と述べた。


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2020年04月01日水曜日


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