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津波で被災した陸前高田の小友小校舎 PTA、高台移転を要望

震災の津波で浸水した小友小校舎(左)。多くの家より低い土地にある=陸前高田市

 東日本大震災で全壊した岩手県陸前高田市内の小中学校舎が高台に再建される中、浸水した建物を市内で唯一利用する小友小の保護者が不安を抱いている。PTAは移転を要望するが、市は「財源がない」と慎重姿勢を崩していない。
 同校は津波で校舎1階床上約1.5メートルまで浸水し、市は災害復旧費で校舎を改修した。ただ、津波注意報以上が発令されれば、約70人の児童は校舎から避難せざるをえないのが実情だ。
 現校舎を巡っては、PTA会員対象のアンケートで6割が「心配あり」と答えた。PTAは2015年12月、3131筆の署名とともに高台移転を求める請願を市議会に提出し、全会一致で採択された。
 市教委の提案は避難環境の充実にとどまり、PTAは昨年10月、改めて高台移転の検討も求めた。それでも回答は「国が防潮堤の整備で校舎利用は可能と判断し、復旧工事にとどまっている。復興財源で新校舎の施工をお願いしてきたが、財源確保が難しい状況」と変わらなかった。
 市内では津波で全壊した小中学校4校が全て、統合も含めて高台移転した。小友小と同じく校舎1階が浸水した高田小は、土地区画整理事業による立ち退きで高台に再建された。
 保護者は「ここだけそのままの状況を児童にどう説明するのか」「防潮堤完成後、浸水想定区域がどうなるのか、避難がどうなるのかも十分説明されていない」などと懸念する。
 千葉雅弘PTA会長は「想定外が起きたのが震災。子どもの安全確保をもっと真剣に考えてほしい」と国への働き掛け強化を訴える。


2020年04月08日水曜日


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