
障害児預かりサービス運営ピンチ 「3密」避け利用減も時間延長で人件費急増
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、障害のある子どもを預かる仙台市内の一部の放課後デイサービスで利用者減少が続いている。施設の収入が減る一方、学校の臨時休校に伴い開所時間の延長を求められ、人件費は急増。関係者は「このままでは職員に給与を払えなくなる」と危機感を募らせる。
宮城野区小田原の放課後デイサービス「ぞうさんの家」では7日、職員10人がマスクを着け、紙製のトーテムポール作りや縄跳びに挑戦する子どもたち11人に付き添っていた。
市内の臨時休校が始まった3月2日以降、利用する児童生徒は約3割減った。学校同様、密閉、密集、密接の「3密」を避けられない環境が敬遠されたとみられる。
職員は全員マスクを着用し、窓を開けるなど対策を取るが、施設側も不安は拭えない。
施設長の木村秀三さん(68)は「職員は感染リスクを抱えながら働いており、このまま休校が続けば疲弊してしまう。収入が減り、運営を続けられるか心配だ」と頭を痛める。
青葉区旭ケ丘の「ぬくもりすぺいす『虹っ子』」は利用者が約1割減った。施設関係者は「発達障害の児童生徒の中には生活のリズムが崩れると、混乱する子どももいる。できる限りサービスを提供したい」と話す。
同区赤坂の「ぽらりす」も利用者が減った。一方、子どもの預け先がない保護者からの求めで、平日の開所時間(午後3時〜午後6時)を午前7時半に前倒しして対応することもある。
ぽらりす管理者で、市内約70事業所の連絡会「放課後ケアネットワーク仙台」代表の熊谷秀典さん(37)は「施設を開ければ人件費がかさみ、閉めれば収入がゼロになり、行き場のない子どもたちが困る。どっちを選んでも大変だ」と苦境を打ち明ける。
2020年04月09日木曜日