
初のウェブ開催 宮城県市町村長会議、検査拡充を県に要望
新型コロナウイルスの感染防止策を話し合う緊急の宮城県市町村長会議が10日あった。密集を避けるため、インターネットを活用したウェブ会議を初めて導入。首長からは、検査態勢の拡充や市町村との連携強化を求める声が相次いだ。
村井嘉浩知事と全35市町村長が県庁と七つの県合同庁舎に分かれ、意見を交わした。村井知事は冒頭、患者の重症度に応じた搬送先の選定など9日の対策本部会議で公表した医療体制を改めて説明した。
市町村長は、感染の有無を調べるPCR検査の実施態勢が実際のニーズに追い付いていないと強調。未検査のため搬送時点で陰性か陽性か不明だった患者について搬送先が定まらず、入院までに長時間かかったとの指摘もあった。
県市長会長の伊藤康志大崎市長は、休校中の県立学校の再開に向けた情報提供がなく「相当混乱した」と情報共有の徹底を訴えた。「関東ナンバーの車が増え、疎開が多くなっている印象がある」(村上英人蔵王町長)として、首都圏からの人口流入への対策を求める意見も出た。
検査態勢を巡り、村井知事は車に乗ったまま検体を採取する「ドライブスルー方式」に言及。仙台市の要請に基づき災害派遣された陸上自衛隊が採用して成果を上げたと紹介し、「この方式の導入を含めて対策を検討する」と述べた。
県内の感染者の大半を占める仙台市の郡和子市長は市中感染の恐れがあり、「不要不急の外出自粛要請は継続する」と表明。村井知事も「5月の大型連休明けまでが鍵となる」と改めて県民に自制を呼び掛けた。
2020年04月11日土曜日