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被災から半年の郡山中央工業団地、全面復旧の道のり険し コロナ禍も深刻

次の水害に備え、塀のかさ上げ工事に着手する企業も出てきた郡山市の郡山中央工業団地

 昨年の台風19号から12日で半年となる。ほとんどの企業が被害に遭った郡山市の郡山中央工業団地は、いまだに操業を再開できない企業があるほか、リスク分散を図った取引先が戻らない企業も多い。新型コロナウイルスの感染拡大による影響も日増しに深刻化し、全面復旧を急ぐ企業にとってダブルパンチだ。
 「1割程度の取引先が離れてしまったが、再開できただけでも良しとしなければならない」。年明けに操業を一部再開した会社の男性社長は、自分に言い聞かせるように話した。
 今後の課題は再び襲いかねない水害への備えだ。しかし敷地のかさ上げなど大型の設備投資は、資金も時間もかかる。工事が長期に及べば、工場を休まざるを得ない。その間にまた客が減ってしまう不安から、着手できないでいるという。
 立地280社のうち144社が加盟する団地会と市の調査では、全面再開した企業は55%にとどまる。特殊な機械の買い替えが必要な企業は発注から納品まで1年以上かかり、再開に時間を要しているという。
 団地会によると、電子機械や印刷など製造業は取引先が戻らず、売り上げを落とす企業が多い。日立製作所郡山事業所の撤退で会社をたたむ検討に入った関連企業もある。
 そうした中、新型コロナの感染拡大が事業の完全再開に暗い影を落とす。
 イベント企画やレンタル業を手掛けるレントオール福島はイベント中止が相次ぎ、3月の売り上げは約8割減となった。佐藤英美フロントマネジャーは「まだ台風の片付けや商品の入れ替えも残っている。新型コロナは終息が見通せず、大変苦労している。いつまで続くのか」と肩を落とす。
 産業用高圧ガスなどを販売する巴商会郡山営業所はグループ化補助金を申請したが、新型コロナの影響で関東の企業がテレワークに移行し、必要書類がそろわない。田中大輔所長は「期限を延長してもらえるのか不安だ」と話した。
 市は4月、産業政策課内に産業団地室を新設した。1月から団地内に設置したサテライトオフィスを拠点に、企業からの相談への対応や各種支援制度の案内、国や県の補助金の取り次ぎなどを支援する。今後は新型コロナ関連の国の経済支援にも対応する。
 斎藤健一室長は「まずは中央工業団地を中心に早期復旧を支援していく。市内に14ある工業団地間の連携を図り、新たなサプライチェーンを構築して取引先が戻らない企業の手助けをしたい」と話した。


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2020年04月12日日曜日


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