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土砂に消えた妹どこに 宮城・丸森 姉らが捜索

巨大な岩が転がる沢で、小野さんの手掛かりを捜す天野さん=12日午前11時15分ごろ、宮城県丸森町

 台風19号豪雨から半年となった12日、土砂崩れで3人が死亡した宮城県丸森町の子安地区周辺には、行方不明になっている小野正子さん(63)を捜す親族の姿があった。手掛かりを求め、土砂が流れ込んだ山間部に毎週通い続ける。「どこにいるの、教えて」。心の中で語り掛け、スコップを振るった。
 この日は、6人が阿武隈川に注ぐ沢沿いで活動した。周囲には巨大な岩や流木、崩れた擁壁のコンクリート片が転がり、斜面は地肌がむき出しのまま。それぞれが岩陰から砂をかき出し、落ち葉を掘り起こす。2時間以上汗を流したがやはり成果はなかった。
 小野さんの姉天野民子さん(68)=丸森町=は週に1度は欠かさず捜索に当たってきた。「半年は長く感じた。妹と話したいことがいっぱいあったなと、今になって思う」と悔しさを隠さなかった。
 豪雨が町内を襲った昨年10月12日、小野さんは夫の新一さん=当時(67)=と共に、母の大槻竹子さん=同(92)=と姉大槻利子さん=同(70)=が暮らす子安地区の実家で土砂崩れに巻き込まれた。近くの自宅から実家へ避難したとみられる。小野さんを除く3人は遺体で発見された。
 今回の捜索場所は実家から西へ約1キロ。これまで沢のさらに上流でも作業したことがある。捜索範囲は広く、いずれも岩石や流木が散らばる。利子さんの長男恵太さん(37)=名取市=は「今週は見つけてあげたいといつも思うが、現場に立つとぼうぜんとなってしまう」と表情を曇らせる。
 それでも気力を奮い起こし、スコップを握る。行動的だった利子さんの姿が思い浮かぶ。「母が生きていたら、きっと率先して捜していた。これからも続ける」。恵太さんの言葉に、天野さんがうなずいた。


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2020年04月14日火曜日


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