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病院内の感染防止、先手を 仙台医療センター・ウイルスセンター長 西村秀一氏に聞く

[にしむら・ひでかず]山形大医学部卒。米疾病対策センター(CDC)インフルエンザ部門客員研究員、国立感染症研究所主任研究官などを経て2000年から現職。新庄市出身。64歳。

 新型コロナウイルスの感染拡大が東北でも続く。政府が東京など7都府県に緊急事態を宣言してから1週間。混乱が続く中で今、感染防止のために力点を置くべき対策は何か。国立病院機構仙台医療センター(仙台市宮城野区)の西村秀一ウイルスセンター長に聞いた。
(聞き手は報道部・菊池春子)

 −現状をどう見るか。
 「他地域で院内感染が目立つ段階となり、今後、そこから市中感染につながるリスクもあると見ている。診療体制が縮小され、医療崩壊が危惧される地域もある。現段階で病院の集団感染が出ていない東北は先手を打つ必要がある。防護具などの供給や感染防止策の徹底が急務だ」

 −外出自粛など、市民生活は制約が続いている。
 「不安が募り、一体何を恐れているのか見えなくなっている面がある。そもそも感染のリスクとは何か、整理したい。密閉・密集・密接の3密の回避が感染防止に重要とされる。閉鎖空間ほど、感染者が出すウイルスを含む細かい微粒子を吸い込み、感染するリスクがある」
 「飛散したウイルスが、生活環境に付着して起きるのが接触感染。主な対策は手洗いなどだ。これまで接触対策に力点が置かれる傾向があったが、それ以上に空気中に浮遊するウイルスそのものを減らす大切さを再認識してほしい。これからの季節は常に窓を開けるくらいでいい」
 「手すりやつり革など生活環境にウイルスがいる可能性に、過剰におびえないでほしい。生活の場での恐れ過ぎは、今後の長丁場を考えると、疲れるだけで本当に必要な対策を危うくしてしまう」

 −今後必要な心掛けは。
 「マスクの効果を正しく理解してほしい。自分が助かるためでなく、周囲に感染させないために着ける意味がある。口から出た直後の粒子は大きいため、着用した人からの拡散はどんなマスクでも防げるが、空気中の細かい微粒子の侵入を防ぐのは、高性能マスクでも着け方が悪ければ難しい。理論上、全員がマスクをすれば感染拡大を防げる」
 「東北でも保育所や高齢者施設で感染が確認された。地域全体で感染を抑えられれば、対策が難しい施設の感染リスクも下がる。気を張り詰めすぎず、かつ油断せず過ごすことが大事だ」


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2020年04月15日水曜日


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