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宮城県、独自の緊急宣言出す? 仙台市の動向が鍵

宮城県庁
仙台市役所

 新型コロナウイルスの感染拡大で、独自の「緊急事態宣言」を出す自治体が全国で相次ぎ、宮城県内の感染者の8割を占める仙台市の動向を県が注視している。県と市は既に外出の自粛などを繰り返し求めているだけに、「宣言の乱発は、かえって県民の危機意識をそぐ」(県幹部)との懸念が拭えないからだ。法的な後ろ盾がなく、実効性を疑問視する声もあり、難しい判断を迫られる。
 「言葉の重みがなくなり、オオカミ少年になりかねない」「『危険だ』と繰り返すのもいいが、県民は『またか』となる」。13日の定例記者会見で、宣言の効果について問われた村井嘉浩知事は、慎重な物言いに終始した。
 知事は県内で感染者が増え始めた3月末以降、毎週末に不要不急の外出を控えるよう強く訴えてきた。会見では「早期の発出も一案だ。仙台市の考えをよく聞く」とも述べ、市と足並みをそろえる姿勢を示した。
 同市で1日当たり最多となる8人の感染が判明した14日夜、郡和子市長は緊急の記者会見を開き、翌日に迫っていた市立小中高校の始業式と入学式の延期を発表。一夜明けて学校現場の混乱や保護者の反発が広がった。
 郡市長は新型コロナ対策の担当局長を新設する人事にも踏み切った。市選出の県議は「『何かやらなければ』という焦りが見える。独自の宣言も出したいのだろう」と胸の内を推し量る。
 15日時点で県内の感染者は65人。このうち8割の52人が仙台市に集中し、27市町村はゼロ、と地域差がある。知事周辺は「宣言を出すには、仙台の意見が大きく左右する」とみる。
 自治体による緊急事態宣言は、政府の宣言と違って強制力がない。別の県幹部は「宣言を出しても、物事が大きく動くわけではない。仙台が独自に宣言するのも一つの手だ」と話す。
 安倍晋三首相が7日に緊急事態宣言を出した後、愛知、岐阜、三重3県が10日に独自の宣言を出し、各地に同調の動きが広がった。宣言時、人口10万人当たりの感染者数は愛知4.2人、岐阜4.9人、三重0.8人とばらつく。
 宮城は県全体では2.8人だが、仙台市に限ると4.8人に上昇する。「こういった緊急の場面で首長の決断が問われる」。ベテラン県議はこう指摘した上で「安心感を醸成する上で、要所で宣言を出すのは定石だ。時期と中身が鍵になる」と解説した。


2020年04月16日木曜日


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