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応援医師、県外で感染 岩手県境に高まる不安

応援医師の感染が確認された済生会陸前高田診療所=陸前高田市

 新型コロナウイルスの感染者が全国で唯一未確認の岩手県で、県境の医療現場が緊張感を高めている。周辺県との接点が多いことによる感染リスクに加え、応援の医師なしに医療サービスの提供も難しいという事情を抱える。中小の医療機関はクラスター(感染者集団)発生を警戒しながら診療活動を続ける。
 陸前高田市の済生会陸前高田診療所。応援で来た宇都宮市の整形外科医の感染が15日に同市で確認されたものの、スタッフ全員が陰性だった。16日は通常通り診療を続けた。
 普段は約100人が来院するが、待合室は空席が目立った。陸前高田市内の女性(77)は「医師の感染には驚いたが診療が続くのは非常にありがたい」と感謝した。
 診療所は手洗いや換気を徹底してきた。伊東紘一所長は「地域のため今後も応援医師を呼ぶ。これまで通り感染対策を徹底する」と語った。
 洋野町の国保大野診療所は青森県境から約10キロに位置する。医療スタッフは院長を含む8人。一郷敏宏事務長は「1人でも感染すれば休診するしかない」と話す。八戸市から通うスタッフもおり「検温や消毒を徹底している。他のスタッフも不要不急の用件以外で八戸に行かないように努めている」と強調する。
 岩手県南の玄関口、一関市。勝部修市長は16日、陸前高田診療所を念頭に「一関も応援の医師で支えられている」と指摘し、「県境でもあり、外から持ち込まれる頻度は高い地域だ」と警戒感をにじませた。
 JR一ノ関駅前は、飲食店が続々と営業を自粛している。経営者の女性は「うちから岩手初の感染者を出したら大変。ババを引きたくない」と不安を漏らす。
 県医師会には、各地から「感染者が来院すれば通常医療がダウンする」と不安の声が次々と寄せられているという。
 感染発生時には、症状に応じた搬送先の仕分けを徹底することを県や岩手医大と申し合わせている。医師会の担当者は「感染者ゼロのうちに、他の患者とミックスさせない工夫を各医療機関でも徹底してほしい」と話す。


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2020年04月17日金曜日


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