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緊急事態、全国に拡大 宮城の工場や工事「休めぬ」 飲食業、売り上げ減が深刻

テレワークができない復興工事の現場では、作業員の感染予防を呼び掛けている=17日、石巻市八幡町

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う緊急事態宣言の全国拡大から一夜明けた宮城県内では、テレワークになじまない工場などがいつも通り操業した。事業の継続には従業員の体調管理が欠かせず、感染防止への意識を新たにした。
 揚げかまぼこを1日20万食生産する水野水産(塩釜市)は、年中無休で150人が交代で生産ラインに従事している。工場は、米国向け衛生管理の国際認証「HACCP(ハサップ)」を取得し、高度な衛生管理が可能だ。
 そのため感染対策の焦点は「人」。出社前の検温を義務付け、体調の変化を感じたら有休を取らせている。水野暢大社長は「工場の稼働継続には従業員の意識向上が不可欠」と強調する。
 白石温麺(うーめん)の製造販売を手掛けるきちみ製麺(白石市)は、食品備蓄などの需要で例年より売れ行きが好調だ。17日の朝礼で衛生管理と体調維持を訴えた吉見光宣社長は「テレワークで温麺は製造できない。手洗いや体温管理、マスク着用を徹底して今後も生産を続ける」と意気込む。
 液晶ガラス基板製造の倉元製作所(栗原市)も「製造業にテレワークはなじまない」として、2工場をフル稼働する。
 石巻市で進む東日本大震災の復興事業。現場担当者は「感染者が出れば工事が止まる。工期を守るため、感染者を申告しない業者もいるのではないか」と危機感を募らせる。
 長引く外出自粛による飲食業界への打撃と、高級食材の消費減の影響はさらに深刻さを増している。
 柴田町の飲食店「ビストロSAVA」の店主猪野則昭さん(65)は「店の賃料を支払う必要があり、休業補償がない限り休めない」と苦しい台所事情を明かす。
 2月末から来客数は激減し、送別会などのキャンセルは100人を超えた。客足の増加は見通せないものの「営業を続け、少しでも収入を得るしかない」と時短営業に取り組む。
 国内最高級ブランド「仙台牛」の県内最大の産地・登米市。枝肉の市場価格は前年同期比で約3割下がり、約80頭を飼う千葉正一さん(70)は「これでは元手が取れない。生き物なので出荷を延ばせず、安い価格でも売らざるを得ない」と嘆く。
 減収の一部をカバーする交付金制度があるものの、実際に支払われるのは2カ月以上先。「えさ代に苦労する農家が出ている。国は事務処理の迅速化など早急に対策をしてほしい」と要望する。


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2020年04月18日土曜日


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