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長期化見据え冷静に 仙台医療センター・ウイルスセンター長 西村秀一氏に聞く

西村秀一氏

 新型コロナウイルスの感染者増加を踏まえ、政府は緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に拡大した。東北の人々は新たな局面をどう受け止めるべきか。国立病院機構仙台医療センター(仙台市宮城野区)の西村秀一ウイルスセンター長は感染症との闘いの長期化を見据えつつ、冷静な行動を心掛けるよう呼び掛ける。
(聞き手は報道部・菊池春子)

 東北は現時点で首都圏などのような感染爆発には至っていないため、宣言による移動の自粛の強化で、地域が守られる意味はある。
 状況を冷静に受け止める姿勢を持ちたい。宣言の期間が過ぎればウイルスとの闘いが終わるわけではない。夏場に少し落ち着く可能性もあるが、冬場に再び流行が拡大すれば、今より深刻な事態が起き得る。
 現在の対策は「第1波」を少しでも小さく抑え、冬場に向けて医療をはじめ社会全体の準備期間を確保する取り組みだと捉えなければならない。
 1918年に始まった「スペイン風邪」と呼ばれるスペインインフルエンザは第2波、3波と続いた。新型コロナは、これから冬場に向かう南半球で感染がまん延する恐れもある。
 新型コロナウイルスは感染者を重症化させることはむしろまれで、軽症者を介して人々の間で生き永らえていく。非常に制圧しにくいウイルスだ。治療薬やワクチンが開発されるまで長い闘いが続く。
 緊張を高め過ぎることなく、エネルギーを残すことにも目を向けたい。制約が続き過ぎると疲弊するだけでなく、経済的な問題で命を落とす人が出かねない。密閉・密集・密接の「3密」の回避を中心に感染予防を続けながら、維持できるものと自粛すべき部分のメリハリを付け、妥協点を探っていかなければならない。


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2020年04月18日土曜日


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