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仙台市の在宅勤務難航 旗振り役のはずが… 紙文化や電子化の遅れ壁

仙台市役所

 新型コロナウイルス感染拡大で、仙台市が外出自粛を市民に呼び掛ける中、旗振り役の市職員の在宅勤務が進んでいない。12日には市職員の感染が判明し、17日は感染者の来庁が分かった。リスク回避が急がれるが、事務処理を文書で行う「紙文化」や電子化の遅れなどの壁が立ちはだかる。

 市は2月28日以降、公共交通機関で通勤する市長部局の職員を対象に、出勤時間を4パターンから選ぶ時差出勤を実施している。通勤途中に感染するのを防ぐ狙いだが、出勤後の職場は普段とあまり変わらない。
 テレワークを導入し、各部署で一部を在宅勤務にする動きは皆無に等しい。
 市本庁舎や各区役所の窓口も通常と変わらず、縮小などの取り組みは見られない。緊急事態宣言を踏まえ、在宅勤務を積極的に導入する民間とは対照的に映る。
 市人事課の鈴木慎太郎課長は「在宅勤務を具体的に検討する段階にはあるが、基礎自治体は市民と直接関わる。なじまない業務が結構ある」と説明する。
 市内で感染が広がり、市保健所を中心に業務は激増している。外出自粛による地元企業への影響も甚大で、経済支援策の検討も急がなければならない。鈴木課長は「まずは多忙な部署の職員増が必要だ」と話す。
 在宅勤務を導入するにしても課題は多い。家にいる職員の勤怠をどう管理するか、個人情報を含む行政文書をどの程度持ち帰っていいのかなど、具体的な運用指針は定められていない。
 行政文書の電子化の遅れも足かせの一つ。オンライン会議を開くにも、打ち合わせに必要な資料がパソコンで見られない。決裁や経費処理も全て文書で行っており、仕事を進めるには結局、出勤せざるを得ない。
 テレワークにはセキュリティー対策で専用回線や機器が必要になる。取り入れるとなると、機器の調達やシステム構築、運用テストで約1年3カ月はかかる。
 市情報システム課の竹田恭課長は「技術的には確立されており、予算と時間があれば導入できる。ただ、新型コロナ対策として、今すぐ始めることは現実的にはほぼ無理だ」と明かす。


2020年04月19日日曜日


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