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宮城県産牛の価格急落 コロナ余波 県PR「すき焼きやしゃぶしゃぶに」

先行きが見えず、不安を抱きながら牛の世話をする千葉さん=宮城・美里町

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、県産牛の価格が急落している。観光や外食の需要落ち込みが主因で、生産現場の経営を圧迫する。苦境に立つ農家を支えようと、県や農業団体は消費拡大に向けて動きだした。村井嘉浩知事も「すき焼きやしゃぶしゃぶなど、食卓をにぎやかにするごちそうに県産牛はぴったり」とアピールする。

◎農家 募る危機感

 「消費がこれ以上停滞すれば、経営が立ち行かなくなる」。美里町で肉用牛約80頭を肥育する千葉孝幸さん(42)の表情は険しい。
 仙台市中央卸売市場によると、和牛枝肉(最高等級のA5)の3月平均価格は1キロ当たり2369円で、前月より8.6%減少。前年同期では17.3%の下落となった。A4、A3の3月平均価格も前年同月を2〜3割下回っている。
 新型コロナウイルスの感染が中国から世界に広がり、訪日外国人旅行者が急減。全国各地で感染者が確認され始めた年明け以降、宴席や外食の自粛も加速し、消費が一気に冷え込んだ。
 A5、B5ランクのみが名乗れる「仙台牛」を数多く育ててきた千葉さん。今年1〜3月に県内と東京で行われたせりに計12頭を出荷したが、1頭当たり最大で数十万円の赤字に。「消費が回復しないと離農が進み、和牛文化が途切れてしまう」と危機感を募らせる。

◎「負の連鎖」生む

 和牛を取り巻く厳しい現状は、子牛の価格からも見て取れる。みやぎ総合家畜市場(美里町)での3月のせりでは、子牛の平均価格が前月比13.9%減の65万8973円に低迷した。
 肥育農家は育てた牛の売値を元手に子牛を買う。県畜産課の鈴木秀彦技術副参事は「消費の先行きが読めず、出荷を先に延ばす農家が子牛を買い控えている。和牛の生産体制に『負の連鎖』が生まれてしまった」と唇をかむ。
 県や農協などで構成する仙台牛銘柄推進協議会は4月10日から1カ月間、消費促進キャンペーンを展開している。県内のスーパーや食肉店で県産牛の購入者に抽選で1万円相当の仙台牛や、1000円分のクオカードを贈る。
 協議会の事務局を務める全農県本部の大友良彦本部長も「生産と消費は両輪。厳しい状況だが、和牛の魅力を発信する機会と捉えたい」と前を向く。


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2020年04月20日月曜日


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