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宮城ひとめぼれ、きょう先物上場 コロナ禍で価格低迷懸念

全国的な知名度と生産量から、先物市場関係者の期待を背負う宮城県産ひとめぼれ

 国内唯一コメの先物市場を運営する大阪堂島商品取引所で21日、宮城県産ひとめぼれの取引が始まる。東北産米の上場は2018年10月の秋田県産あきたこまち以来2銘柄目。収穫前から価格変動のリスクを軽減できるメリットがあり、大規模生産者らの注目を集めるが、新型コロナウイルスの感染拡大が大きな不安要素に浮上している。
 農林水産省は今年2月、コメ先物取引の対象に宮城県産ひとめぼれを認可。「宮城ひとめ18」の名称で、1枚1080キロ(18俵)で取引される。上場は東京コメ(業務用米)、新潟県産コシヒカリ、秋田県産あきたこまちに続き4銘柄目となる。
 コメ先物取引は、農家や流通業者らが価格や量を決め、最長1年先の売買を約束する仕組み。作柄次第で上下に振れる価格変動の影響を抑え、計画的な生産、販売体制を築きやすい。
 米穀安定供給確保支援機構(東京)によると、ひとめぼれは19年の作付面積シェアが9.4%で、コシヒカリ(33.9%)に次ぎ全国2位。宮城県では19年のコメ作付面積6万4800ヘクタールのうち、約7割を占める主力品種だ。
 堂島商取東京支所営業企画部の大房弘憲総括部長は「全国規模の知名度を持つブランド米で、収量も安定している。先物市場でも存在感を発揮してくれるはずだ」と評価する。
 コメづくりの現場も、安定収入をもたらす新たな手段として期待を寄せる。
 仙台市の農業法人舞台ファームは青森、宮城、福島3県の約140ヘクタールで稲作を手掛ける。担当者は「事前に販売価格が分かれば、経営が先読みできる利点がある。上場後の様子を見ながら、活用の可能性を探りたい」との考えを示す。
 20年産の取引価格は19年産の概算金、消費の見通しなどに左右されるとみられるが、先行きの懸念材料となっているのが新型コロナの世界的な感染拡大による経済の急速な冷え込みだ。
 外国人旅行者の減少、外出自粛によるコメの外食需要が既に落ち込んでいる。堂島商取では年明け以降、新潟県産コシヒカリが値崩れし始めた。大房氏は「消費動向が読めず、取引価格には下落圧力がかかりやすい」と危惧する。
 堂島商取にとっても、今年は正念場を迎える。農協の反発などで先物市場の規模は伸び悩んでおり、取引期限(2年)のある「試験上場」が開設の11年から続く。念願の「本上場」に向け、5度目の試験上場の終了が21年夏に迫る。
 大房氏は「新型コロナの感染拡大で先行きは不透明だが、日本の食卓に浸透したひとめぼれへの期待は大きい。何としても市場評価を勝ち取りたい」と話す。


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2020年04月21日火曜日


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