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凍結乾燥精液で子牛誕生 宮城県と高知大、世界初 室温保存可能方法確立へ

フリーズドライの精液から誕生した子牛(県畜産課提供)

 宮城県と高知大(高知市)は、凍結乾燥(フリーズドライ)させた牛の精液から、子牛を誕生させることに成功した。実験用マウスや馬での成功例は海外で報告されているが、牛では世界初。実用化すれば常温保存が可能となり、肉質の良い血統の安定的な継承につながると期待される。
 県畜産試験場(宮城県大崎市)と、同大農林海洋科学部の松川和嗣准教授(家畜繁殖学)が2014年、共同研究に着手した。
 同大で昨年1月、県の基幹種雄牛「茂福久(しげふくひさ)」の精液を凍結乾燥。県畜産試験場が蔵王町の酪農家が育てる雌牛に人工授精し、今年4月14日、約30キロの雌の子牛が生まれた。体重や体長は平均的な子牛並みという。
 牛の精液は通常、液体窒素(マイナス196度)で満たされた専用容器で保存されている。窒素の補給が常時必要なため、災害時などに供給網が絶たれ、使えなくなる恐れがある。
 県畜産試験場によると、凍結乾燥の精液は理論的には、室温でも保存できるという。ただ現状では、精液を保管するガラス容器に湿気が入り込んでしまうのが課題。今回は凍結乾燥した上で、マイナス30度で冷凍保存した精液を使った。
 県畜産試験場酪農肉牛部の及川俊徳上席主任研究員は「DNAを後世に残していくための大きな成果だ。研究を重ね、常温でも保存できるような方法を確立したい」と話す。


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2020年04月21日火曜日


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