宮城のニュース

マスク3万枚を老人福祉施設へ 仙台の設計事務所社長、中国から預かる

マスクを手に取る庄子会長(左)に寄贈の経緯を説明する本間さん

 新型コロナウイルスの感染拡大でマスク不足が続く中、仙台市青葉区の設計事務所社長本間貴史さん(54)は11日、市老人福祉施設協議会に使い捨てマスク3万枚を寄付した。中国の篤志家から託されたという。
 本間さんは11日午前、マスクが入った段ボール12箱を、協議会の庄子清則会長(61)が理事長を務める社会福祉法人青葉福祉会(青葉区)に届けた。庄子会長は「底をつきかけていた施設もあり、本当にありがたい」と感謝した。
 マスクは協議会に属する特別養護老人ホームなど比較的大規模な約50施設に配られ、それらを通じてさらに小さな施設にも行き渡らせる。職員に着用させ、介護する高齢利用者らへのまん延を防ぐ。
 中国の篤志家は上海近郊に住み、日本への留学経験があるという男性、費〓(ひきん)さん。日本のマスク不足を心配しており、建築家として中国のテレビ番組に出演したことのある本間さんに対し、現地のテレビ局を通じて寄付を申し入れた。
 マスクは8日、本間さんの事務所に到着。仙台市に相談の上、重症化リスクが高い高齢者施設への寄贈を決めた。
 本間さんは「状況は予断を許さない。感染防止に生かしてほしい」と話した。

◎現地のリフォーム番組出演きっかけ

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、仙台市老人福祉施設協議会にマスク3万枚が贈られた。中国の男性が、面識のない仙台市の設計事務所社長本間貴史さん(54)に託した善意。本間さんが磨いた高齢者の家造り技術が国境を超えた縁をたぐり寄せた。
 本間さんは2011年に中国でのビジネスに着手し、16年に上海事務所を開設。ハウジング需要が急増する現地で、マンションのインテリア設計などを請け負った。特に、得意分野である福祉や介護など高齢者に優しい技術を提案した。
 上海の大手テレビ局が注目し、日本でも人気のリフォーム番組を模した中国版に4度起用された。昨年、認知症を患う80代母親の徘徊(はいかい)や暴力に悩む家族の自宅をリフォームした。
 神経を刺激する過度の照明を廃し、天窓などを採用。アニマルセラピーを重視し、猫や金魚鉢のスペースを設けた。
 その回に感銘を受けたのが、番組のファンでもあった費〓(ひきん)さん。テレビ局にマスク寄付を申し出た。「留学時代、日本語の先生や友人にとても親切にされた。その恩返しをしたい」との意向だった。
 中国は落ち着きを取り戻しつつあるものの、日本からの渡航制限が続く。当局発表の感染者数や死者数に、国際社会から疑念が持たれている。
 それでも「民間交流が絶えることはない。日本の設計技術を中国に伝えることが自分の使命」と本間さん。名前以外は何も明かしてくれないという費〓さんに対し「マスクは確かに高齢者施設に渡したと伝えたい」と話した。

※〓は金が三つ


関連ページ: 宮城 社会 新型コロナ

2020年04月21日火曜日


先頭に戻る