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山形の老舗漬物店「丸八やたら漬」廃業へ 創業135年、国登録文化財の建物群解体か

廃業を決めた丸八やたら漬の店舗兼主屋(左)と香味庵蔵=山形市

 創業135年の老舗漬物店「丸八やたら漬(づけ)」(山形市)が21日、5月末で自主廃業すると明らかにした。漬物の販売減少が主な原因で、新型コロナウイルス感染拡大による観光客の激減も痛手になった。土地はマンション業者に売却されるとみられる。映画祭や街歩きの拠点としても親しまれた国登録有形文化財の店舗兼主屋や蔵など建物群は取り壊される公算が大きい。
 1885年にみそ・しょうゆ醸造と漬物の店として創業。「やたら漬」が看板商品になり、蔵を改装して1992年に開業した「食事処 香味庵(こうみあん)」は観光客の人気を集めた。
 売上高のピークは92年3月期の4億5000万円強。食の多様化などの影響で2019年3月期は約1億5900万円にまで落ち込んだ。同期の純損益は約1100万円の赤字だった。
 敷地内の座敷蔵は明治中期、店舗兼主屋と香味庵蔵は1913(大正2)年の建築。今年1月閉店の老舗百貨店大沼などと並ぶ街のシンボル的存在だった。
 新関芳則社長(66)は「今年秋の廃業を考えていたが、新型コロナの影響で観光客のキャンセルが相次ぎ、決断を早めた」と説明する。店の営業は5月末まで。6月に会社を清算し、土地は秋にもマンション業者に引き渡す見通し。
 近代商家建築の再活用に向け、同社が市と借り上げについて協議したが、3月に断念した。新関社長は「新型コロナで持ちこたえられなくなった」と話す。
 佐藤孝弘市長は、21日の定例記者会見で「歴史ある老舗の廃業は残念だ。中心市街地のにぎわいに大きな役割を果たしたことに感謝したい」と語った。


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2020年04月22日水曜日


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