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東北電「原発に津波の影響ない」 日本・千島海溝地震想定

東北電力東通原発=青森県東通村

 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による津波は、東日本大震災以降の停止が続く東北電力の原発付近にも襲来する恐れがある。東北電は「原発の安全性や当社の津波評価への影響はないと考えている」と説明する。
 想定では、東通原発(青森県東通村)周辺に最大9.3メートルの津波が押し寄せ、村内の別の地点では13.9メートルに達する。東通原発の敷地は海抜約13メートル。2011年の震災発生時は定期検査中で停止中で、地震と津波による設備被害はなかった。
 東北電は12年4月、震災級の地震による津波高を10.1メートルと評価。再稼働に向けた原子力規制委員会の新規制基準適合性審査に際して想定を11.7メートルに引き上げ、高さ3メートル(海抜約16メートル)の防潮堤を完成させた。審査はまだ序盤で、基準津波(最大想定の津波)は定まっていない。
 女川原発(宮城県女川町、石巻市)近くでは今回、最大11.7メートルの津波が予測された。震災では約1メートルの地盤沈下で海抜13.8メートルとなった敷地に約13メートルの津波が襲来。防潮堤は越えなかったが、ポンプ室の地下部分から海水が流入した。
 女川2号機は2月に合格した審査で基準津波を23.1メートルに設定。海抜約29メートルの防潮堤建設、ポンプ室への浸水防止壁の設置などを進めている。
 東北電は「日ごろから最新知見の収集、分析に努め、津波評価への影響を検討している。今回の結果についても今後、必要に応じて適切に対応する」とコメントした。

◎原発の浸水、深さ示さず

 内閣府の有識者会議が公表した日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に伴う津波想定では、各地の原子力施設が浸水する深さなど具体的なデータは示されなかった。内閣府は「予測結果は出ているが、各施設の状況を示せる段階まで整理ができていない。公表には地元自治体との調整も必要だ」と説明している。
 公表前の素案では、東京電力福島第1原発には東日本大震災と同程度の13.7メートルの津波が襲来。地震発生の66分後には、1〜4号機の原子炉建屋がある海抜8.5メートルの敷地が最大3.3メートル浸水すると予測していた。
 このほか、福島第2原発では0.2メートル浸水し、東北電力の女川原発、東通原発、日本原燃の核燃料サイクル施設(青森県六ケ所村)は「浸水なし」としていた。女川、東通には敷地周辺まで津波が押し寄せる予測図も示されていた。


2020年04月22日水曜日


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