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亘理の海岸林 再生へ一歩 5000人が4万3179本を植樹

NPOが植樹した亘理町吉田東部の海岸林。2015年度に植えたクロマツが成長している
植樹の取り組みを説明する嘉藤さん

 東日本大震災で壊滅した宮城県亘理町の海岸林の再生に取り組むNPO法人「わたりグリーンベルトプロジェクト」が、5年間にわたり続けてきたクロマツなどの植樹を完了した。約14ヘクタールの広大な土地に延べ約5000人が協力し、4万3179本を植えた。同NPOは「多くのボランティアのおかげで節目を迎えられた」と感謝する。

 植樹エリアは震災前にクロマツが茂っていた町吉田東部地区沿岸部のうち、縦約3キロ、横約45メートルの町有地。クロマツが3分の1を占めるほか、アカマツ、コナラ、エドヒガンなど多様な植生にした。
 年3〜5回の植樹祭を開き、地元の小学生や県内外のボランティアが手伝った。全国の企業や団体も被災地ツーリズムの一環として随時参加。木の根元には植えた人の名前を書いたプレートを差したほか、参加団体の看板も設置した。
 グリーンベルトの原点は2012年に作成した「おらほの森」構想。主催したワークショップに町民約200人が参加し、海岸林や広場、展望台などを整備する夢を描いた。防潮林跡の盛り土事業を待ち、15年度から植樹を始めた。
 最終年度の19年度は節目を祝おうと昨年10月に植樹祭を計画したが、台風19号の影響から今年3月に延期した。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大のために開催を見合わせざるを得なかった。結局、3月中旬に有志26人が1000本を植えて完了したという。
 「自然には勝てないね」。NPOの嘉藤一夫代表理事(72)は苦笑しながらも、「構想を形にしたいとの一心で頑張ってきた。多くの方に支えられた」と振り返る。
 木が一人前に育つには30〜50年かかる。今後は草刈りや枯れた木の植え替えなど地道な作業が待ち受ける。加藤さんは「これからが正念場。自分が植えた木の世話をしてもらう『育樹』などの催しを考えたい」と次のステージに思いを巡らせていた。


2020年04月24日金曜日


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