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「県外の方お断り」行き過ぎ対応を反省 唯一感染ゼロの岩手知事「賢く怖がるよう促す」

 「県外の方お断り」。全国で唯一、新型コロナウイルス感染症者が未確認の岩手県でこうした事例が相次いでいる。感染を恐れるあまり、県立病院では県外者の受け入れ拒否が起きた。行き過ぎともいえる風潮に歯止めを掛けようと、県は「正しく恐れること」の重要性を説き始めた。

 「おわび申し上げる。今後はこのような事案を起こさないようにしたい」
 24日の岩手県議会の議案説明会。今月中旬、千葉県から帰省中に破水した妊婦の救急受け入れを県立2病院が拒否した問題で、県幹部が頭を下げた。
 県医療局によると、2病院には、首都圏から県内に来た人は2週間経過しなければ診察しない内部の取り決めがあった。感染者を受け入れる指定病院ではないが「救急であり、引き受けるべきだった」と釈明した。
 「県外の方お断り」が増えだしたのは今月上旬。「不安がある県民は知らない人にむやみに近づかないで」と達増拓也知事がメッセージを発した時期に重なる。
 県立美術館(盛岡市)も17〜23日にホームページ上で「県外から来られた方のご入館の自粛をお願いいたします」と掲げた。
 達増知事は23日の定例記者会見で「注意喚起はいいが、制限は行き過ぎ」と指摘。過剰に反応する世情への戸惑いが見え隠れした。
 「ウイルスの次にやってくるもの」。日本赤十字社が21日に公開したアニメーションは、むやみな恐怖感は人と人の分断を招くと警告する。担当者は「不安や差別が自らの感染を隠すことにつながり、感染拡大を引き起こすと考えられる」と強調する。
 「賢く怖がるように誘導するのも行政の役割。不必要な不安や恐怖を膨らまさないように工夫したい」。達増知事は自らを戒めるように語った。


2020年04月26日日曜日


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