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<いぎなり仙台>巡る春この本読むべ!「注文の多い料理店」 想像力育む不朽の名作

注文の多い料理店
佐々木伸さん

 日本に恐竜の化石があると、宮沢賢治が早くから見通していたかもしれないって、知っていましたか。
 短編集「注文の多い料理店」(新潮文庫)に収録された19編の一つ「楢ノ木大学士の野宿」には、宝石を探しに出掛けた大学士が居眠りをし、夢の中で恐竜の巣に迷い込むシーンがあります。賢治が生きた時代は「化石はない」が常識でしたが、地質学者でもあった賢治はひそかにその存在を予感していたようです。
 賢治作品には自然科学の知識や哲学が詰まっています。この短編作品にも、さまざまな種類の岩石が登場しますから、詳しく調べれば勉強になります。還暦を過ぎても新たな気付きがあるほど奥深く、親子で楽しめる不朽の名作です。
 絵本もありますが、あえて活字で読むことをお勧めします。昔の言い回しなど分からない言葉は読み飛ばして結構。作品に出てくる光、風、宝石を自分なりにイメージしてみましょう。人により捉え方が異なる透明感が魅力の本ですから、想像力が鍛えられます。

◎地元の歴史目向けて/郷土史研究家 佐々木伸さん(65)

 宮沢賢治に興味を持ったのは、出身地の奥州市に賢治との深いつながりがあったためです。「わが地域には特徴が何もない」なんて言わず、皆さんも地元の歴史を調べてみてください。小さな出来事が、実は大きなストーリーの原石だったりするかもしれませんよ。


2020年04月27日月曜日


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