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「9月の入学・始業」知事私案に教育関係者ら戸惑い 専門家「議論が必要」

 新型コロナウイルスの感染拡大で学校の休校が続く中、村井嘉浩知事が「9月の入学、始業」の私案を示した27日、県内の教育関係者から「唐突だ」「現場の声を聞いてほしい」といった戸惑う声が上がった。「賛否は相当分かれる」と知事も承知の上だが、学力格差の解消や国際化の推進を意識した発言に、専門家は「社会の仕組みが変わる話。県民全体の議論が必要だ」と話す。
 「突然、休校を要請した安倍晋三首相と同じ。またかという思い」。子どもが自宅学習に取り組む保護者は、ため息をついた。
 児童生徒や保護者が大きな関心を寄せるのは、小中高校が大型連休明けに再開するかどうかだ。村井知事は27日の定例記者会見でその判断について明言せず、一足飛びした形だ。
 「現実的ではない」と批判するのは、県教職員組合(宮教組)の幹部。「(新型コロナ流行の)様子を見ながら、学年ごとの時差登校などで再開への道を探るべきだ」と主張した。
 県PTA連合会の杉山昌行(よしゆき)会長も「全国で実現できればいいが、果たしてできるのか。拙速にならず、現場の意見を踏まえて決めてほしい」と注文する。
 足元の県教委にも動揺が広がった。休校の対応に追われる担当者は「学校だけの問題ではなくなる。卒業しても、進学や就職まで時間が空く可能性もある」と懸念する。
 世界的に見れば、9月の入学、新学期を採用する国は少なくない。
 仙台白百合女子大の牛渡淳教授(教育行政学)は「海外で活躍する人材育成の観点から考えると利点がある」と指摘。一方で「行政や企業をはじめ、社会の動きと一緒に進めなければ、子どもたちに影響が出かねない。将来を見据え、慎重な議論が求められる」と強調する。


2020年04月28日火曜日


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