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東北経済「厳しい状況」 震災直後以来の下方修正 東北財務局

 東北財務局は27日、東北の経済について「新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況にある」とする1〜4月の管内経済情勢報告をまとめた。前期の「回復しつつある」から総括判断を引き下げ、東日本大震災直後の2011年6月の発表以来、36期(8年10カ月)ぶりの下方修正となった。

 項目別では個人消費と雇用情勢も、ともに36期ぶりに判断を引き下げた。生産活動は2期(半年)ぶりに下方修正した。設備投資、企業収益、企業景況感、住宅建設、公共事業の5項目は据え置いた。
 個人消費は「新型コロナの影響で弱い動き」。旅行はキャンセルが相次ぎ急速に悪化した。百貨店販売は暖冬で衣料品などが低調だったことに加え、来店客が減って弱い動きとなった。一方でドラッグストアは前年を上回り、スーパーは前年並みだった。
 生産活動は「弱含んでいる」となった。電子部品・デバイスは中国経済の減速や新型コロナによる世界的な需要減少などで低調。半導体メーカーが設備投資を増やしたため、生産用機械は増加した。
 雇用情勢は、製造業や小売業、サービス業、宿泊業などで新規求人数が減っていることなどから「改善のテンポが緩やかになっている」とした。
 県別の総括判断は6県いずれも「新型コロナの影響で、厳しい状況にある」で、「持ち直し」や「回復」の表現が入った前期から全県とも判断を引き下げた。6県そろって下方修正したのは36期ぶりになる。
 先行きは「新型コロナの影響による厳しい状況が続く見込みで、さらなる下振れリスクにも十分注意する必要がある」とした。入り込み客が多い夏祭りが中止や延期となり、地域経済の下押しにも懸念を示した。
 原田健史局長は「厳しい状況はウイルスが原因。大震災やリーマン・ショックの時とは違い、ウイルスの封じ込めが最大の景気対策になる」と述べた。

◎「売上高や生産減」5割企業調査

 東北財務局が27日発表した新型コロナウイルスに関する企業へのヒアリング結果によると、「売上高や生産量が減少した」と答えた企業はほぼ半数の49.7%に達した。宿泊業や旅行代理店などを中心に、減少額が5割以上の企業も全体の10.3%に上った。
 売上高や生産量は業種間の差が大きく、「増加」の回答も22.6%あった。紙製品、衛生用品、食料品の需要が増えたスーパーやドラッグストアといった小売業、食品製造業などに多かった。
 「海外経済の変動が要因で企業活動に影響があった」と答えたのは71.5%。具体的な内容として、多くは部品の調達・供給網の乱れを挙げた。製造業では輸出の減少、非製造業ではインバウンド(訪日外国人客)需要の減少との回答も多かった。
 「国内の感染拡大防止が要因で影響があった」企業は69.5%。製造業は約半数が「影響なし」だった。非製造業では外出自粛による生産・販売額の減少が多く、観光客の減少を挙げる声もあった。
 ヒアリングは東北の企業213社に対し、3月中旬〜4月上旬に実施した。


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2020年04月28日火曜日


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