宮城のニュース

留学生の支援、言葉の壁厚く 仙台で今月3人感染

新型コロナウイルスの影響について話し合う教員(右)と留学生ら=3月中旬、仙台市内(写真と本文は関係ありません)

 新型コロナウイルスの感染者が東北で増える中、留学生らの健康面の支援が課題となっている。仙台市内では今月、東北大と宮城教育大に所属する3人の感染が確認されたほか、体調を崩した別の留学生が言葉の壁を理由に受診を断られたケースもあった。支援団体は相談窓口を増設し、対応強化に努めている。

 「日本語がほとんど話せず、症状が出ている間は不安だった」。東北大大学院で学ぶインドネシア出身の20代男性は振り返る。
 4月上旬、熱やせきが出るなどし、9日夜に指導教員にネット通話で相談した。教員は新型コロナのコールセンターに連絡。担当者の指示を基に翌朝、英語対応が可能とされる医療機関に電話したが、「きょうは対応できるスタッフがいない」と診察を断られた。
 幸い症状は落ち着き、男性は10日に教員を介してメールで保健所の問診を受けた。感染の可能性は小さいと判定され、自宅で2週間の健康観察を指示された。
 男性は「中心街に行かないよう気を付けていた。もし感染した場合、周囲にうつさないか心配だった」と話す。教員は「日本語が不自由な学生がどう対応すればいいか、不安は大きいと実感した」と強調する。
 市内の留学生は東北大だけで約2000人、外国人居住者は約1万3000人に上る。健康面や暮らしの支援ニーズは高まっている。
 病院を受診する外国人の通訳支援に取り組む宮城県国際化協会は今月、オンライン通訳の体制を整備した。22の言語に対応し、担当者は「広く周知し、不安解消につなげたい」と話す。
 仙台市の仙台多文化共生センターも新型コロナの相談を受け付け、土日を含め電話で18言語に対応する。東北大も24日、英語と中国語で問い合わせに応じるコールセンターを開設した。
 ただ、オンライン医療通訳などの支援業務は平日の昼間が中心で、対応に限界がある。より丁寧な支援を心掛けようとしても対面のサポートは難しく、支援者はもどかしさを募らせる。
 交流会を開催するなどし、東北大の留学生を支援してきたボランティア団体「グループ杜(もり)」の副代表小林幸子さん(69)は「感染した留学生の心のケアも必要だ。通常の活動ができない歯がゆさはあるが、今後の支援に力を入れたい」と先を見据える。


関連ページ: 宮城 社会 新型コロナ

2020年04月29日水曜日


先頭に戻る