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東北の観光地閑散 じっと我慢の連休始まる

例年なら観光客で混み合う遊覧船乗り場。船が運休し人影はまばら=29日午前11時20分ごろ、宮城県松島町
閑散とした弘前公園の外周沿いの歩道=29日午後0時10分ごろ、青森県弘前市
道行く人もいない玄関口の山寺宝珠橋=29日午後0時50分ごろ、山形市

 新型コロナウイルスの感染拡大が直撃した大型連休初日の29日、東北の名所には、静寂が広がった。人でにぎわう例年とは一変した無人の観光地。観光関係者にとって、じっと我慢の連休が始まった。

◎「時止まったよう」 宮城・松島

 宮城県松島町の松島海岸地区は、土産店や飲食店のほとんどが休業。29日に周辺の県営と町営の全8カ所の駐車場が閉鎖され、観光客の人影はまばらだった。
 仙台市の会社員男性(40)は「営業している飲食店を一つしか見つけられなかった。天気が良くて松島の景色がきれいだが、町は時が止まっているように感じる」と話した。
 JR松島海岸駅前の赤間精肉店は、感染拡大を防止するため、牛タン料理の店内飲食を取りやめて、テークアウトの営業を続ける。
 社長の赤間武子さん(77)は「主要客が首都圏などからの観光客。3月下旬までは動きがあったが、今はほとんど客が来ない。毎日、早くコロナが終息するよう祈っている」と話した。

◎桜満開…でも閉鎖 青森・弘前公園

 青森県弘前市の弘前公園は密集を避けるため立ち入りが禁止され、例年なら花見客でごった返す外堀沿いも人影はまばら。満開を迎えた桜が静かに雨にぬれていた。
 200万人以上が訪れる「弘前さくらまつり」は中止になり、公園も10日に閉鎖された。市は公園の外周に、見物客らが滞留しないよう警戒態勢を取っており、29日も職員が交代で周辺を巡回した。
 近くで喫茶店を営む宮本孝紀さん(64)も営業を自粛。「桜の時期の弘前とは思えないほど、人も車も全然いない。自粛が行き届いているのは良いことだ」と話した。
 バリケードが設けられた公園の出入り口に配備された警備員は「トラブルはほとんどないね」と手持ちぶさたの様子だった。
 弘前公園の桜を巡っては、市が報道機関に園内の写真掲載や放送を5月7日以降にするよう異例の要請を行い、市民にも会員制交流サイト(SNS)に投稿・拡散しないよう呼び掛けた経緯がある。
 市観光課の担当者は「警戒していたほどの人出はなく、多くの人が自覚を持って行動していると感じる。引き続き人が密集しないよう注視したい」と語った。

◎山門の上、入山規制 山形・山寺

 東北屈指の観光地、山寺(山形市)は通常の大型連休とは打って変わり、満開を迎える桜と対照的にしんと静まり返っていた。
 立石寺は現在、山門から上の入山を規制中で、門前町に並ぶ飲食店や土産品店も一斉休業している。門前町とJR山寺駅をつなぐ山寺宝珠橋は、時折車が通るだけで、人けはなかった。
 例年、国内外の観光客であふれる山寺駅の待合室も閑散とした様子。午後1時すぎ、仙山線の上りと下りの列車がプラットホームに相次ぎ滑り込んだが、乗客は合わせて数人だった。
 山寺駅近くで駐車場を営む男性(83)は「観光客はゼロ。2月初旬まではインバウンド(訪日外国人旅行者)を中心に朝から活気があったのに」とため息をつく。連休は常に満車だったという55台分のスペースに止まっていたのは2、3台。「書き入れ時のお盆までには何とか持ち直してほしい」と祈るように話した。


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2020年04月30日木曜日


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