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巣ごもり連休で利用者急増 東北発農水産物販売アプリ

ポケマルで注文のあったコメなどを家族で発送する渡部さん=山形県鶴岡市

 新型コロナウイルスの感染拡大で農水産物の販路が狭まったり、スーパーでの混雑が敬遠されたりする中、生産者と消費者がスマートフォンで直接売買できる東北発のアプリ「ポケットマルシェ(ポケマル)」が存在感を発揮している。売買件数や利用者数が急増し、既存の食品流通の在り方を問い直したいという運営会社も応援企画を積極的に展開する。
 山形県鶴岡市白山地区でコメとだだちゃ豆を生産する渡部康貴さん(38)。ポケマルを通した注文が従前は1日平均1、2件だったが、最近は7、8件で、時に10件と急増している。
 ポケマルにはコメやだだちゃ豆に加え、自家製みそを出品。新型コロナの影響が大きくなってからは、自宅でみそ造りを体験できるキットが人気を集める。
 渡部さんは「スーパーに出向くよりも簡単にスマホで好きな生産者から購入できる利点が伝わっているのだと思う。消費者が生鮮食料品もネットで買うことに慣れていくのかもしれない」と話す。
 ポケマルは2016年に岩手県花巻市の運営会社「ポケットマルシェ」が開設した。スマホで農水産物の出品から入金管理まで完結し、消費者とアプリ上で直接メッセージを交わす仕組みが支持され、利用する農家や漁師は全国で約2300人と増え続ける。
 特に4月は、1日当たりの新規登録生産者数が新型コロナの影響が限定的だった2月に比べ、4倍に伸びた。新規登録の消費者数も2月比で22倍と急激に増え、登録消費者数は既存分と合わせ10万人を超えた。
 登録生産者の中には、新型コロナの影響で観光農園の縮小を余儀なくされたり、学校給食や外食チェーンへの納入が止まったりするケースが相次いでいる。
 ポケマルは3月に「新型コロナで困っています」というコーナーを設け、生産者を消費者が買い支えるキャンペーンを開始。外出を減らしている消費者向けに、自宅での食事や調理が楽しくなる食材を生産者がPRする新企画「新型コロナを吹き飛ばせ」も始めた。
 ポケマルの高橋博之代表取締役は「飲食店が止まったとよく言われるが、その先では生産者が売り先を失っている。自粛生活は日常となり、自宅で家族と食事する価値が復権していくだろう。生産者は味方になってくれる消費者と直接つながっていくことがますます必要になる」と強調する。


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2020年05月02日土曜日


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