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仙台市の夜間休日診療所、発熱患者完全隔離できず 既存施設で苦肉の対応、看護師ら不安

風除室に開設された臨時診察室。ビニール幕の奥で発熱患者が待機する=仙台市若林区の市急患センター

 仙台市の夜間休日診療所の看護師らが、発熱を訴える患者の受け入れ態勢に不安を抱えている。新型コロナウイルス感染が広がり、発熱患者の待合所を別に設けるなど対策は取られているが、施設構造の制約で万全とは言い難い。他の患者と発熱患者を分けて診察する「発熱外来」を高度医療機関に設置する見通しは立っておらず、緊張を強いられながらの対応が続く。
(報道部・横川琴実)

 市の夜間休日診療所は急患センター(若林区)、北部急患診療所(青葉区)、市立病院に併設した夜間休日こども急病診療所(太白区)の計3カ所ある。
 市健康政策課によると、急患センターは発熱患者をエントランスで問診し、いったん建物外に出てもらい、風除室の臨時診察室で診療する。北部急患診療所は出入り口が1カ所で、発熱患者は内科、他の患者は小児科の診察室内にそれぞれ案内し、動線を分ける。
 こども急病診療所は発熱で訪れる患者が大半を占めるため、他の症状の患者には車などで待機するよう依頼。診察順が来たら携帯電話で呼び出し、施設内で発熱患者と接触する時間を少なくしているという。
 いずれも感染症に未対応の既存設備を使った苦肉の策。看護師の一人は「発熱患者を完全に隔離できず、他の患者や医師、看護師の感染リスクはゼロではない。毎日、不安な中で仕事している」と明かす。
 医師が発熱患者を診る際に着るガウンなどの防護服は在庫が限られる。こども急病診療所では、感染者数が多い埼玉県に暮らす医師が、診察のため週1回来仙する状況が緊急事態宣言後も続く。同課の担当者は「代わりの医師がいない」と理解を求める。
 大型連休で市内のクリニックは休診となるため、市は仙台オープン病院(宮城野区)に6日まで急患対応するよう要請した。夜間休日診療所への患者集中を避ける目的だが、診療所の医師や看護師の不安は拭い切れない。
 発熱外来の設置も進んでいない。郡和子市長は1日の市議会臨時会の答弁で「患者の大幅な増加という事態も想定し、発熱外来の可能性を含め、市医師会や医療機関と検討していく」と述べるにとどめた。
 市健康政策課の堀江和巳医療政策担当課長は「発熱患者が感染者だったとしても、マスクを着用していれば濃厚接触者にはならない。現状は防護具でカバーしながら、急患対応を続けるしかない」と説明する。


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2020年05月04日月曜日


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