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開業3年、岩手の2商業施設苦境 増税・暖冬にコロナ追い打ち、飲食店「店じまいも覚悟」

大型連休の後半が始まっても、人影がまばらな大船渡市のキャッセン=2日午前10時ごろ

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた大船渡、陸前高田両市の中心市街地にできた集積型商業施設が、開業から3年を迎えた。地元客に加えて、売り上げに貢献していた観光客が徐々に減少。年明け以降は新型コロナウイルスの影響が日ごとに強まり、経営環境は厳しさを増している。
 「消費税増税に暖冬、そしてコロナ。3年目は三重苦に見舞われた」
 大船渡市の「キャッセン」で衣料品店を営む鈴木隆也さん(59)がため息交じりに話す。
 客数はこの1年、開業当初より2割ほど減っていた。商業施設に立ち寄る観光バスの減少が大きく響いているという。
 冬物衣料が振るわなかったこともあり、資金繰りは決して楽ではない。「売り上げが減ってもテナント料は変わらない。集客力のある施設に店を構えるので仕方ないが、負担は大きい」と打ち明ける。
 新型コロナ対策で需要がある抗菌性のマスクやハンカチの販売も始めた。「日銭を稼いで持ちこたえるしかない」と語る。
 陸前高田市の「アバッセたかた」も状況は同じだ。書籍・文具店の店長伊東亜希子さん(38)は「大型連休や夏休みの来店が少なくなった。以前は売り上げが伸びた時期なのに」と表情を曇らせる。
 3年目の客数は、開業当時を1割程度下回って推移。今夏は新型コロナの影響で恒例の七夕祭りが中止となった。「関連用品の売り上げはほとんど見込めない」と先行きを案じる。
 感染拡大を受け、両施設の多くの飲食店が大型連休中は休業。緊急事態宣言が延長されることにより、経営へのダメージを懸念する声が強まっている。
 ある飲食店の男性店主は「休業が長引けば店じまいも覚悟しないといけない。震災から9年余り。本格的に再建してようやく軌道に乗り始めたのに」と苦しい胸の内を明かした。

<メモ>大船渡市のキャッセンは2017年4月29日開業。約30の飲食店や衣料品店、雑貨店などが並ぶ。陸前高田市のアバッセたかたは同27日開業。書籍店や製菓店、スーパーなど約20店が営業する。


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2020年05月04日月曜日


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