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「人通り少ないのに増えてる…」 宮城県、人出調査に疑問の声

祝日の午後、人影がほぼないJR大河原駅前=4月29日

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、宮城県が携帯電話事業者の協力を得て県内13カ所で毎週末に実施する人出調査の結果が各地に波紋を広げている。スマートフォンの位置情報を活用した正確なデータだが、流行前の数値を上回る地域からは「人が出てないのになぜ?」と疑問の声も上がる。調査エリアでの住宅の集積や車の往来など、地域特有の事情を反映しているようだ。

■歓楽街は歴然

 極端な減少が読み取れるのは東北最大の歓楽街、国分町(仙台市青葉区)の夜。普段ならにぎわう金曜日で比べると、表の通り一目瞭然。週を追うごとに減少幅が拡大し、4月24日は1〜2月の平均より約7割減った。
 26日(日)午後の松島海岸(松島町)が49.2%、南三陸さんさん商店街(南三陸町)が58.9%など、観光地も減少傾向にある。県震災復興・企画部の志賀慎治次長は「繁華街や観光地の客足は確実に減ったと判断できる」と一定の信頼を寄せる。
 一方で、数値が下がらない地域では、首をかしげる関係者もいる。
 日曜昼のJR大河原駅周辺は、1〜2月平均を上回る状態が続く。一目千本桜(大河原町、柴田町)の花見客が訪れたとみられる4月5日は約2割上回り、26日も100%を超えた。

■多くの店 休業

 データはスマホの位置情報から調査エリアに1時間滞在した人数を「1人」、30分滞在した人は「0.5人」などと計算する。家で過ごす人、ドライバーも対象に入ることになる。
 祝日の29日午後。同駅前に人の姿はほとんどなかった。周辺には住宅街が広がり、東側には国道4号につながる県道があり、通行量は比較的多い。町商工観光課の長谷川一正課長は「多くの店は休業している。人出が増える要素はない」と言い切る。
 気仙沼市の繁華街、内湾地区。25、26日夜の減少率は1割未満にとどまったが、実際の人通りと隔たりを感じる住民は多い。
 地区に三つある商業施設を整備したまちづくり会社「気仙沼地域開発」によると、大半の飲食店が休業中という。調査エリアには、災害公営住宅が5棟(約150戸)ある。
 同社事業推進チーム統括マネージャーの千葉裕樹さん(41)は「夜は真っ暗で人は全くいない。人出を正確につかんだデータとは言い難い」と指摘した。

[県の人出調査]NTTドコモなどが協力。今年1〜2月の平均を100とし、週末(金−日曜日)の午後2〜3時、午後8〜9時の人の行き来を指数化した。調査エリアは原則、駅や商業地域、観光地を中心とする500メートル四方が対象で、場所によってはさらに範囲を広げる。
 村井嘉浩知事と郡和子仙台市長が、不要不急の外出自粛を共同で呼び掛けた4月3日に開始。緊急事態宣言が全国に拡大された翌日の17日からは毎週末集計している。当面続ける方針。


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2020年05月05日火曜日


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